エレファント・ビジュアライザー調査記録

ビジュアルプログラミングで数式の変形を表すことを考えていくブロクです。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

中間報告(1)

現在の状況は… 無限の時間にわたって動作するプログラムを半環の極限として表すことができるのではないかということで、それに似た代数的構造を探そうとしています。 それを探す手段として、圏論の計算を数式の変形で行おうと考えていますがまだそこまでたど…

群論の計算(19)

体上の多項式環(2) 既約多項式(1) を体とします。 が 任意の に対して ならば または であるとき 内で既約であると言います。 に対して、 で生成された(単項生成)イデアル を、 と表すことがあります。 を体とします。 が 内で既約ならば は の極大イデアル…

群論の計算(18)

ここでは複素数の説明のために体上の多項式の説明をします。 (『可換環論の勘どころ (数学のかんどころ)』*1 を参考にしています)ここでは、自明ではない単位元を持つ可換環のことを単に環ということにします。 体上の多項式環(1) 環上の多項式環のところで…

群論の計算(17)

ここでは複素数の説明のためにベクトル空間の説明をします。 ベクトル空間 環上の加群のところでも説明しましたがベクトル空間の定義は以下のようになります。 を体とします。アーベル群 とスカラー乗法 が以下の条件を満たすとき を 上のベクトル空間と呼び…

群論の計算(16)

複素数(3) ここではリウヴィルの定理を使った代数学の基本定理について少し触れておきますがリウヴィルの定理を証明するのはたいへんなのでそこは省略します。 は、実数 が存在して 任意の複素数 に対して となるとき、 は有界であると言います。 を の開集…

群論の計算(15)

複素数(2) 『新版 集合と位相 そのまま使える答えの書き方 (KS理工学専門書)』*1 を参考にしています。 実数の上限・下限 に対して 任意の に対して であるような を の下界と呼びます。 の下界が存在するとき は下に有界であると言います。 に対して は の…

群論の計算(14)

複素数(1) ガロア理論とはあまり関係がないのですが、ここでは以下のように複素数を定義して代数学の基本定理を証明していきます。(主張が間違っていたので訂正しました) 複素数の定義(1) を 上のベクトル空間 とします。 の元を と書きます。 の元 、 に対…

群論の計算(13)

実数 この議論はガロア理論には必要ないと思われるのですが、代数学の基本定理を説明するために必要なので書いておきます。 有理数の順序 を有理数全体の集合とします。正または の有理数全体の集合を とおきます。 の元は正または の整数 と正の整数 で と…

群論の計算(12)

環上の加群 を環とします。アーベル群 とスカラー乗法 が以下の条件を満たすとき を 上の加群と呼びます( を と書きます)。 が体のとき 上のベクトル空間と呼びます。 環上の代数 を環とします。環 に対して環の準同型 があるとき を 上の結合代数と呼びます…

群論の計算(11)

体 集合 と 上の2つの二項演算、加法 と乗法 の組 が はアーベル群(単位元) は可換なモノイド(単位元)で はアーベル群 乗法は加法の上に分配的、すなわち であるとき を体と呼びます。すなわち は単位元を持つ環 はアーベル群 であるとき を体と呼びます。通…

群論の計算(10)

環、環上の多項式、体などの定義をしていきます。この定義がないと主張の意味がわからなくなるので群からは少し離れるのですが定義していきます。 環 集合 と 上の2つの二項演算、加法 と乗法 の組 が はアーベル群 は可換なモノイド (モノイドは群の定義の…

群論の計算(9)

対称群 に対して から への全単射の全体 は写像の合成を演算とする群となります。 を 次の対称群と呼びます。 を 次の置換と呼びます。 を のように書きます。 互換 置換 が の部分集合 に対して であり に対しては であるとき、 と書きます。これを巡回置換…

群論の計算(8)

冪零群 中心 群 の中心を と定義します。 を群の準同型とします。 に対して となるので となります。 に対して を と自然な準同型 の合成とし、 とおくと、 となります。よって同型 が存在して、 となります。 中心列 群 の正規部分群の列 で (または ) () …

群論の計算(7)

可解群 群 の部分群の列 で はアーベル群 () という条件を満たすものがあるとき を可解群と呼びます。群 の部分群の列 を以下のように帰納的に定義します。 この列を導来列と呼びます。 に対して が成り立つことから、、 を群 の正規部分群とすると に対して…

群論の計算(6)

交換子部分群 群 の元 と に対して と の交換子を と定義します。 に対して と定義します。 を の交換子部分群と呼びます。 という記法を交換子部分群のときに使っているので、ここでは集合の場合の記法を定義することにします。 と に対して と定義します。…

群論の計算(5)

正規化群 群 の部分集合 に対して、 の正規化群を と定義します。 は の部分群となります。 が の部分群ならば は の正規部分群となり、 は を正規部分群として含む最大の部分群となります。 が の正規部分群ならば となります。 中心 群 の中心を と定義し…

群論の計算(4)

共役類 群 の元 と に対して と定義します。 と に対して と定義します。群 の元 と に対して を満たす が存在するとき と は共役であると言います。 と が共役であることは同値関係となります。この同値関係に関する同値類を共役類と呼びます。 を含む共役…

群論の計算(3)

写像の計算 写像 の像と逆像は に対して に対して に対して のようになります。 であることから (1) 、 とすると が成り立ちます。 (2) 、 とすると が成り立ちます。 (3) ならば であることから ならば ならば が成り立ちます。 (4) に対して に対して に対…