エレファント・ビジュアライザー調査記録

ビジュアルプログラミングで数式の変形を表すことを考えていくブロクです。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

半環上のフラクタル代数(7)

次に可換の場合を考えます。 モノイドから作られる半環(1) 、 を集合、 を の元とします。 を から への写像 で、 となる の個数が有限であるもの全体の集合とします。 を自然数全体の集合とします。 は で生成される自由可換モノイドとなります。 をモノイ…

半環上のフラクタル代数(6)

ブール代数(可補分配束)の非可換であるようなものを考えます。 自由モノイド 集合 で生成される自由モノイドを または とします。 は文字の集合 から作られる文字列全体の集合と見ることができます。空文字列が単位元となります。 の元を1つの文字からなる文…

半環上のフラクタル代数(5)

ここでは環上の多項式環に対応するものについて考えてみます。これは Prolog の実行順序の説明で必要となります。まず「群論の計算」の記事で説明した環上のモノイド代数についてもう一度説明します。 環上のモノイド代数 ここでは半環の場合も含めて考えま…

フラクタル代数言語 Fractal (2)

フラクタル代数言語 Fractal の構文 フラクタル代数言語 Fractal の構文は Prolog と同様(サブセット)とします。以下 Wikipedia の Prolog の項から必要な部分を引用します。 項 Prolog のデータを項と呼びます。項は定数、変数、複合項のいずれかとなります…

半環上のフラクタル代数(4)

環上の代数の射影極限 (Wikipediaによる) を有向半順序集合とします。環 上の代数の族 と準同型の族 が は における恒等写像、 であるとき、対 を環 上の代数と準同型の 上の射影系と呼びます。射影系 の射影極限を と定義します。射影極限 は直積の演算で環…

半環上のフラクタル代数(3)

環上の加群 を自明ではない単位元を持つ可換環とします。アーベル群 とスカラー乗法 が以下の条件を満たすとき を 上の加群と呼びます( を と書きます)。 が体のとき 上のベクトル空間と呼びます。 が 上の加群であるとき、 の元 に対して を と定義すること…

半環上のフラクタル代数(2)

背景 論理プログラミングの考え方ではプログラムを論理式と考えることができます。論理プログラミングで無限の時間実行するプログラムについて考えてみます。論理式の作るブール代数を半環と見ることで、環の極限と同様に極限を定義することができます。実際…

群論の計算(42)

2次方程式の冪根による解法 2次方程式の冪根による解法をまず考えてみます。「ラグランジュの分解式」を使いますが、2次方程式の場合はあまり必要がないので、意味がよくわからないかもしれません。以後3次方程式、4次方程式の計算を簡単にする方法を考えて…

群論の計算(41)

3次方程式の冪根による解法で使えるかもしれないので3次の場合を書いておきます。内容は前の項と同じです。 対称式の基本定理(3次の場合) を体とします。 を 上の多項式環の商体(有理関数体) とおきます。 の対称群 の元 を 上の代数の同型 に拡張した写像全…

群論の計算(40)

ここでは計算を簡単にするために対称式の基本定理をもう一度見てみます。 対称式の基本定理 を体とします。 を 上の多項式環の商体(有理関数体) とおきます。 の対称群 の元 を 上の代数の同型 に拡張した写像全体の集合を とします。 上の多項式 の係数 を …