Optimistic Mathematics のサイトでも2次方程式の解法についてここと同様のこと書いているので、同じ内容をこちらにも書いておきます。
2次方程式のべき根による解法
を体とします。
、
を変数とし、
の元を係数とする多項式全体の集合を
とおき、
上の多項式
を考えます。
とおくと、
となります。 ここで 、
を
、
を使って表すことを考えます。
と置きます。
から
への全単射の全体を
とすると、
は次の表で定義される2つの元
、
からなる集合となります (
は恒等写像です)。 この表は、
の元
の
の元
による像
を表しています。
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の元
と
の合成
を、任意の
の元
に対して、
となるものとすると、
は次の表のようになります。
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を
の元とします。
の元
は、
という形の有限個の和なので、
と定義することによって、
は
から
への写像と考えることができます。
から
への写像
、
に対して、
、
、
、
を
と定義します。
なので
とおくと、 となります。 したがって、
となります。 よって任意の の元
に対して
となります。
の
に
を代入して、
より
となります。
なので の
に
を代入して、
より
となるので、これらを代入すると、 の元
は、
の次数は0次、
の次数は1次以下にすることができます。 よって、
(
、
は、
、
の多項式) と表すことができます。
の任意の元
に対して、
であるとすると、
であることから、
となります。
は
、
の多項式なので、
が
ではないとすると、
の
に関する次数 =
の
に関する次数
、
の
に関する次数 =
の
に関する次数、
となるので、 が成り立たなくなります。 よって、
となるので、
は
、
の多項式で表すことができます。
よって任意の の元
に対して
は
、
の多項式で表すことができます。 とくに
となります。
の元
に対して
を満たす
の元
が存在するとき、 そのようなものの1つを
と書くことにします。 すると、
となるので、
も上の条件を満たします。
の元
が
を満たすとすると、
となるので、
となって、
または
となります。 よって、
または
となります。
または
とおきます。
とおくと、 から
となり、これより
となって、、
は (
という記法を使えば)
、
の式で表すことができる ということがわかります。
上に述べた式
に を施すと
となるので、 であり、
としたときの
は
としたときの
であり、
としたときの
は
としたときの
であり、
としても
としても、
か
のどちらかに
が得られるということがわかります。