対称式の基本定理・証明4・一般の場合
一般の場合です。
対称式の基本定理
[定理]
対称式は基本対称式の多項式となります。
[証明]
変数の個数に関する帰納法で証明します。 1変数の場合は、その変数自身が基本対称式と考えられるので、成り立っています。
として、
のときには成り立っていると仮定します。
を対称式とします。
を
について整理して
と書くと
はの対称式となります。 よって
変数の場合より、
は変数の基本対称式
の多項式となります。 これを
とおきます。 ここでは
です。 と
の間には
、
のときは
という関係が成り立ちます。 これより 、
となるので、これらを
に順に代入して
によっての
次以上の項を消去すると
となります。
は、の多項式です。
は対称式なので、
となります()。
のときの証明と同様に
は正則行列となります(この行列の行列式をファンデルモンドの行列式といいます)。 よって
となって、は基本対称式の多項式となります。
[証明終わり]