エレファント・コンピューティング調査報告

極限に関する順序を論理プログラミングの手法を使って指定することを目指すブロクです。

群論の計算(7)

可解群

 G の部分群の列  G_0, G_1, \cdots , G_n

  •  \{ e \} = G_0 \lhd G_1 \lhd \cdots \lhd G_n = G
  •  G_i / G_{i-1} はアーベル群 ( i = 1, 2, \cdots , n)

という条件を満たすものがあるとき  G を可解群と呼びます。

 G の部分群の列  G^{(0)}, G^{(1)}, G^{(2)}, \cdots を以下のように帰納的に定義します。

  •  G^{(0)} = G
  •  G^{(n+1)} = [ G^{(n)} , G^{(n)} ] \ ( n = 1, 2, \cdots )

この列を導来列と呼びます。

 x, y, z \in G に対して
 \begin{eqnarray*}
[ x, y ] ^ z & = & z^{-1}(x^{-1}y^{-1}xy)z \\
  & = & (z^{-1}x^{-1}z)(z^{-1}y^{-1}z)(z^{-1}xz)(z^{-1}yz) \\
  & = & [ x^z, y^z ]
\end{eqnarray*}
が成り立つことから、 H K を群  G正規部分群とすると  x \in G に対して  [ H, K ] ^ x \subseteq [ H^x, K^x ] \subseteq [ H, K ] となるので  [ H, K ]  G正規部分群となります。よって  G^{(0)}, G^{(1)}, G^{(2)}, \cdots  G正規部分群となります。

 G^{(1)} = \{ e \} のとき  G はアーベル群となります。 G^{(n)} / G^{(n+1)} はアーベル群となります。

 G^{(n)} = \{ e \} となる自然数  n が存在するとき

  •  \{ e \} = G^{(n)} \lhd G^{(n-1)} \lhd \cdots \lhd G^{(1)} \lhd G^{(0)} = G

は可解群を構成する部分群の列となるので  G は可解群となります。

逆に可解群  G の部分群の列  G_0, G_1, \cdots , G_n

  •  \{ e \} = G_0 \lhd G_1 \lhd \cdots \lhd G_n = G
  •  G_i / G_{i-1} はアーベル群 ( i = 1, 2, \cdots , n)

という条件を満たすものとすると  G_i^{(1)} \subseteq G_{i-1} が成り立つので  G^{(1)} = G_n^{(1)} \subseteq G_{n-1} となります。これを繰り返していくと  G^{(i)} \subseteq G_{n-i} が成り立ちます。よって  G^{(n)} \subseteq G_{0} = \{ e \} となります。

よって  G が可解群ならば  G^{(n)} = \{ e \} を満たす自然数  n が存在します。

 G を可解群、 f: G \to H を群の準同型とします。 G^{(n)} = \{ e \} とすると  f(G)^{(n)} = \{ e \} となります。よって  f(G) は可解群となります。

 G を可解群、 H G の部分群とします。 G^{(n)} = \{ e \} とすると  H^{(n)} \subseteq G^{(n)} = \{ e \} となります。よって  H は可解群となります。

 N G正規部分群で可解群であるもので、 G/N も可解群であるとします。 (G/N)^{(m)} = \{ e_{G/N} \} ( e_{G/N} G/N単位元)、 N^{(n)} = \{ e \} とすると  G^{(m+n)} \subseteq N^{(n)} = \{ e \} となります。よって  G は可解群となります。