複素数(1)
ガロア理論とはあまり関係がないのですが、ここでは以下のように複素数を定義して代数学の基本定理を証明していきます。
(主張が間違っていたので訂正しました)
複素数の定義(1)
を
上のベクトル空間
とします。
の元を
と書きます。
の元
、
に対して積を
と定義すると
は体となります。
の元を複素数と呼びます。
を
に対して
と定義します。
と定義します。
が成り立ちます。
任意の に対して三角不等式
が成り立ちます。
[証明] 、
とすると
となりますが、ここで
が成り立っているので が成り立ちます。[証明終わり]
代数学の基本定理(1)
を正の自然数、
を複素数の関数(
)とします。このとき
を満たす複素数
が存在します。
証明(1) - (1)
を正の自然数、
を複素数の関数とします。このとき 任意の
、
に対して
である
が存在して
- 任意の複素数
に対して
ならば
となります。
[証明] 、
とおきます。
となるような
をとります。
となる
をとると
となって となります。よって
が成り立ちます。[証明終わり]
証明(1) - (2)
、
を複素数の関数(
)とします。
とおきます。このとき
の最小値
が存在すれば
となります。
[証明]
となる
をとります。
を
について整理した式を
とします ( とすればよい)。
なので
のどれかは
ではありません。
としてこの場合について証明します(他の場合も同様となります)。
と仮定すると
となります。
とおくと
となります。
とおきます。
、
、
となる実数
をとることができて
、
となります。
とおくと
となります。
に対して
が成り立ちます。よって となって
が最小値であることに矛盾します。よって
は最小値となります。[証明終わり]