次に可換の場合を考えます。
モノイドから作られる半環(1)
、 を集合、 を の元とします。 を から への写像 で、 となる の個数が有限であるもの全体の集合とします。 を自然数全体の集合とします。 は で生成される自由可換モノイドとなります。
をモノイドとします。 に加法()と乗法()を定義します。乗法は加法に優先するものとします。以下に示すように は半環となります。
加法の定義
のモノイドとしての演算を加法とします。
すなわち のモノイドとしての演算が であるとき、 の加法の演算 を と に対して と定義します。
が可換モノイドであることから は加法に関して可換モノイドとなります。
乗法の定義
モノイド の演算を とします。 は に優先するものとします。
個の和 を と書くことにします。 は と順序を除いて一意的に表すことができます。
と に対して乗法を と定義することができます。
乗法の加法に対する分配法則
、 、 に対して
より乗法の加法に対する分配法則が成り立ちます。
よって は半環となります。
集合 に対して 、 は半環となります。
モノイドから作られる半環(2)
を1つの元 からなる集合 の冪集合 とおきます。 は和集合関してモノイドとなります。
集合 に対して は を と同一視することにより の有限部分集合全体の集合と考えることができます。 は集合 で生成される自由冪等可換モノイドとなります。
モノイド に対して と同様に に乗法を定義すると、 は半環となります。
集合 に対して は半環となります。