自然数の帰納的表記
を集合、、 とし、 は
(条件1)「 が
- 、
を満たす集合ならば である」を満たすとします。
このとき をおくと は上の条件を満たすので となります。よって
となります。
さらに は
- (条件2)
を満たすとします。
は自然数全体を表す集合と考えられます。これは自然数の定義だと考えると が出てくるのはおかしいですが、ここでは数学的帰納法に関する記法を考えることが目的なので今はこのまま議論を進めます。この件は後で検討します。
の順序を
と定義すると全順序集合になります。
このとき
(条件3) とすると は最小元を持ちます。
[証明] とし
とおくと
- が存在し なので
よって(条件1)より 、 となる が存在します。すなわち
- (1) 任意の に対して
- (2) ある が存在して
となる が存在します。 は全順序集合なので (2) より 、よって となり、(1) より なので となります。よって (1) より は の最小元となります。[証明終わり]
また、、 とすると を満たす が存在し、 なので となります。よって
- (条件4) 、 ならば となる が存在します。
自然数の順序による表記
逆に を順序集合で
- (条件3) ならば は最小元を持つ
とします。 とすると が最小元を持つので は全順序集合となります。 を
と定義します。 となります。
ならば となります。同様に ならば となります。よって
となります。
の最小元を とします。
- (条件4) 、 ならば となる が存在する
とします。
このとき(条件1)「 が
- 、
を満たす集合ならば 」が成り立ちます。
[証明] を
- (1) 、
- (2)
を満たす集合とします。 とすると が存在します。 ならば 、すなわち となります。
とすると(1)に反します。 とすると、(条件4)より となる が存在します。、 となって(2)に反します。よって となります。[証明終わり]
(条件1)より
となります。これも自然数の定義とは考えないとします。
ならば なので
- (条件2)
が成り立ちます。