掃き出し法の順序に依存しない記法(3)
解が一意的となるように書き直したいと思います。
有理数全体の体 に を付け加えて拡大した体を とします。
、 を の基底とします。
とし、ベクトル空間 の部分空間全体の集合を とします。
とおきます。 の元 が一次方程式 を 表すとします。
( は「真」を、 は「偽」を表すとします)を、 と に対して、 のとき 、 のとき とします。
に対して、、、 とおきます。
に対して の元すべての の部分空間としての和を と書くことにします。
(1) 任意の 、 に対して、 の部分空間として となる が一意的に存在します。
[証明] を 、 を とすると、
となります。
は を満たし、 より となります。
逆に 、 とすると となります。よって となるので、このような は一意的となります。[証明終わり]
に対して 、 に対して とします。、 は の部分空間となります。
かつ となる を の解とします。このとき と書くことにします。 となる が存在することを と書くことにします。
を
に対応する一次方程式の集合、 とします。
、 ( は集合の直和)とします。
とおくと ( はベクトル空間の直和)となります。
、 とおきます。
、 に対して となる を と書くことにします。
とおきます。
(2)
[証明] の定義より となります。
また、 とすると であることから となります。よって ならば となります。
よって主張が成り立ちます。[証明終わり]
(3)
[証明] をとり、 を 、 を 、 を とおくと。 となります。 となる が存在します。、 とおくと、 となります。 をとると
となります。よって となります。[証明終わり]
(4)
[証明] (3)より となります。[証明終わり]
(5)
[証明] (2) より となるので成り立ちます。[証明終わり]
(6) 、、、 ならば となる が存在します。
[証明] かつ 、 ()とします。
を をと書くことにします。、 のとき となるので
となります。(2)より となるので となります。
とおくと かつ となります。[証明終わり]
(7)
[証明] (6)より
となります。最後の項は(5)より とおけば成り立ちます。[証明終わり]