非専門的シンギュラリティー研究所

無限に動き続けるシステムを表す方法を AI なども使って考えていきます。

証明路開発支援システム(12)

次に「証明路開発支援システム(6) - 非専門的シンギュラリティー研究所」の(5)から(8)までを見ていきます。

(5) 単項イデアル整域の既約元は素元となります。

[証明]

  •  R を単項イデアル整域、 p \in R を既約元とします。
  •  p が素元であることを証明します。
    •  a \in R b \in R ab \in (p) とします。
    •  a \in (p) または  b \in (p) であることを証明します。
      • (2)より  (p, a) = (g) を満たす  g が存在します。
      •  p \in (p, a) = (g) であるから  p = gq を満たす  q が存在します。
      •  p は既約元なので  (g) = (1) または  (q) = (1) が成り立ちます。
        1.  (q) = (1) とすると  p = g となって  a \in (p, a) = (g) = (p) となります。
        2.  (g) = (1) とすると  (p, a) = (g) = (1) となって  b \in (p, a)(b) \subseteq (pb) + (ab) \subseteq (p) となります。
[証明終わり]

(6) 単項イデアル整域は一意分解整域となります。

[証明]

  •  R を単項イデアル整域とします。
  •  R の単元全体の集合を  R^\times とおきます。
  •  u, v \in R^\times ならば  uv \in R^\times となります。
  •  u \in R^\times p が既約元ならば  up は既約元となります。
  •  (a) = (b) ならば  a = ub となる  u \in R^\times が存在します。
  •  R が一意分解整域となることを証明します。
    •  R 0 でも単元でもない任意の元  a に対して素元  p_1, p_2, \cdots , p_n \in R \ (n \ge 1) が存在して  a = p_1 p_2 \cdots p_n と表すことができることを証明します。
      •  R の既約元の1個以上の有限個の積全体の集合を  P とおきます。
      • すなわち  P = \{ p_1 p_2 \cdots p_n \ | \ p_1, p_2, \cdots , p_n \in R, p_1, p_2, \cdots , p_n は既約元 , n \ge 1 \} とおきます。
      •  R = P \cup R^\times \cup 0 となることを証明します。
        •  \displaystyle I = \bigcup_{x \in R \setminus (P \cup R^\times) } (x) とおくと  I R のイデアルとなります。
        •  R は単項イデアル整域なので  I = (a) となる  a \in R が存在します。
        •  a \in (x) となる  x \in R \setminus (P \cup R^\times) が存在します。
        •  (x) \subseteq I = (a) なので  (a) = (x) となります。
        •  a \notin P \cup R^\times であることを証明します。
          •  a \in R^\times とすると、 x \in R^\times となります。
          •  a \in P とすると、 x \in P となります。
          • どちらも  x \notin P \cup R^\times に反します。
        •  a = 0 ならば  \displaystyle R \setminus (P \cup R^\times) \subseteq I = (a) = 0 となるので  R = P \cup R^\times \cup 0 となり主張が成り立つので、 a = 0 であることを証明します。
          •  a \ne 0 とすると  a は既約元ではないので、 a = bc であって、 b \notin R^\times c \notin R^\times となる  b, c \in R が存在します。
          •  b \in P であることを証明します。
            •  (a) \ne (b) であることを証明します。
              •  (a) = (b) とすると、 a = ub となる  u \in R^\times が存在します。
              •  ub = bc c = u \in R^\times となって  c \notin R^\times に反します。
            •  b \notin P とすると、 b \in (a) となって  (a) = (bc) \subseteq (b) に反します。
          • 同様に  c \in P となります。
          • よって  a = bc \in P となって  a \notin P であることに矛盾します。
[証明終わり]

(7) 単項イデアル整域の  0 ではない素イデアルは極大イデアルとなります。

[証明]

  •  P を単項イデアル整域  R の素イデアルで  P \ne \{0\}とします。
  •  P R の極大イデアルであることを証明します。
    •  A R のイデアルで  P \subseteq A であるものとします。
    •  A = P または  A = R となることを証明します。
      •  R のイデアルは単項生成なので  P = (p) A = (a) となる  p, a \in R が存在します。
      •  (p) \subseteq (a) となり  p = ab となる  b \in R が存在します。
      •  P = (p) は素イデアルなので  a \in P または  b \in P となります。
        1.  a \in P ならば  P = A となります。
        2.  b \in P ならば  b = pc となる  c \in R が存在するので  p = apc となって  A = (a) \supseteq (ac) = (1) = R となります。
[証明終わり]

(8)  R を単項イデアル整域、 p R の既約元とすると  R/(p) は体となります。

[証明]

  •  R を単項イデアル整域、 p R の既約元とします。
  •  R/(p) が体となることを証明します。
    •  (p) が極大イデアルならば  R/(p) が体となるので  (p) が極大イデアルとなることを証明します。
      • (5)より  p は素元となります。
      •  (p) は素イデアルとなり(7)より  (p) は極大イデアルとなります。
[証明終わり]