非専門的シンギュラリティー研究所

無限に動き続けるシステムを表す方法を AI なども使って考えていきます。

証明路開発支援システム(19)

「シローの定理」について調べます。

を参照します。証明を見るとある程度計算でできる証明があるようです。

(1) 写像による分類

一般的な用語は不明ですが写像に対して成り立ちます。

  •  f: X \to Y を写像とします。
  •  \mathrm{Im}(f) = \{ f(x) \mid x \in X \} とおきます。
  •  i \in \mathrm{Im}(f) のとき  f^{-1}(i) = \{ x \in X \mid f(x) = i \} とおきます。
  •  \displaystyle X = \bigsqcup_{i \in \mathrm{Im}(f)} f^{-1}(i) と共通部分のない部分集合に分割できます。
  •  X が有限集合のとき  \displaystyle |X| = \sum_{i \in \mathrm{Im}(f)} |f^{-1}(i)| が成り立ちます。

(2) 群の剰余類分解

  •  G を有限群、 H G の部分群とします。
  •  f_H: G \to \mathfrak{P}(G) を左剰余類に写す写像  x \mapsto xH とします。
  • 左剰余類全体の集合を  G/H とします。
     G/H = \{ xH \mid x \in G \}
  •  G/H = \mathrm{Im}(f_H) となります。
  •  f_H^{-1}(xH) = xH より  f_H^{-1}(i) はある左剰余類  xH に一致します。
  •  \displaystyle G = \bigsqcup_{i \in G/H} f_H^{-1}(i) と左剰余類に分解できます。
  •  xH の元の個数は  x によらずすべて等しいことを証明します。
    •  z \in xH ならば  yx^{-1}z \in yH
    •  w \in yH ならば  xy^{-1}w \in xH
    • よって任意の  x, \ y \in G に対して  xH yH の元の個数は等しくなります。
  •  H = eH なので  G/H の元(左剰余類)の元の個数はすべて  H の元の個数に等しくなり
     |G| = |G/H| \cdot |H|
    が成り立ちます。

(3) 対称群の固定部分群による分解

  •  \mathfrak{S}(n) n 次の対称群とします。
  •  n を固定する置換の全体を  \mathfrak{S}(n-1) とします。
     \mathfrak{S}(n-1) = \{ s \in \mathfrak{S}(n) \mid s(n) = n \}
  •  \mathfrak{S}(n-1) \mathfrak{S}(n) の部分群になります。
  •  f_{\mathfrak{S}(n-1)}: \mathfrak{S}(n) \to \mathfrak{P}(\mathfrak{S}(n)) s \mapsto s\mathfrak{S}(n-1) とおきます。
  •  \mathrm{Im}(f_{\mathfrak{S}(n-1)}) = \{ s\mathfrak{S}(n-1) \mid s \in \mathfrak{S}(n) \} となります。
  •  O(n) = \{ s(n) \mid s \in \mathfrak{S}(n) \} とおきます(軌道)。
  •  s\mathfrak{S}(n-1) = t\mathfrak{S}(n-1) \iff t^{-1}s \in \mathfrak{S}(n-1) \iff t^{-1}s(n) = n \iff s(n) = t(n)
    となります。よって  |\mathrm{Im}(f_{\mathfrak{S}(n-1)})| = |O(n)| が成り立ちます。
  •  |\mathfrak{S}(n)| = |O(n)| \cdot |\mathfrak{S}(n-1)| が成り立ちます。

(4)  X の置換群の固定部分群による分解

  •  X を有限集合、 \mathfrak{S}(X) X の置換群とします。
  •  x \in X を固定する置換の全体を  \mathrm{Stab}(x) とします。
     \mathrm{Stab}(x) = \{ s \in \mathfrak{S}(X) \mid s(x) = x \}
  •  \mathrm{Stab}(x) \mathfrak{S}(X) の部分群になります。
  •  f_{\mathrm{Stab}(x)}: \mathfrak{S}(X) \to \mathfrak{P}(\mathfrak{S}(X)) s \mapsto s\mathrm{Stab}(x) とおきます。
  •  \mathrm{Im}(f_{\mathrm{Stab}(x)}) = \{ s\mathrm{Stab}(x) \mid s \in \mathfrak{S}(X) \} となります。
  •  O(x) = \{ s(x) \mid s \in \mathfrak{S}(X) \} とおきます(軌道)。
  •  |\mathrm{Im}(f_{\mathrm{Stab}(x)})| = |O(x)| が成り立ちます。
  •  |\mathfrak{S}(X)| = |O(x)| \cdot |\mathrm{Stab}(x)| が成り立ちます。

(5) 群の作用

  •  G を有限群、 X を有限集合とします。
  • ( G X への作用)
     \rho: G \to \mathfrak{S}(X) を群の準同型とします。
  •  x \in X とします。
  • (固定部分群)  x を固定する元全体の集合
     G_x = \{ g \in G \mid \rho(g)(x) = x \}
     G の部分群になります。
  • (軌道)  O: X \to \mathfrak{P}(X)
     O(x) = \{ \rho(g)(x) \mid g \in G \} とおきます。
  •  f_x: G \to \mathfrak{P}(G) を左剰余類に写す写像  g \mapsto gG_x とします。
  •  f_x^{-1}(gG_x) = gG_x より  f_x^{-1}(i) はある左剰余類  gG_x に一致します。
  •  \displaystyle G = \bigsqcup_{i \in G/G_x} f_x^{-1}(i) と左剰余類に分解できます。
  •  |G| = |G/G_x| \cdot |G_x| が成り立ちます。
  •  gG_x = hG_x \iff h^{-1}g \in G_x \iff \rho(h^{-1}g)(x) = x \iff \rho(g)(x) = \rho(h)(x)
    となります。よって  |G/G_x| = |O(x)| が成り立ちます。
  •  |G| = |O(x)| \cdot |G_x| が成り立ちます。
  •  O^{-1}(O(x)) = O(x) より  O^{-1}(i) はある軌道  O(x) に一致します。
  •  \displaystyle X = \bigsqcup_{i \in \mathrm{Im}(O)} O^{-1}(i) と軌道に分解できます。
  •  \displaystyle |X| = \sum_{i \in \mathrm{Im}(O)} |O^{-1}(i)| が成り立ちます。

(6) シローの定理

 G を位数  n の有限群、 p を素数、 n = p^am p \not\mid m とします。このとき位数  p^a G の部分群が存在します。

  •  X = \{ S \mid S \subseteq G, \ |S| = p^a \} とおきます。
  •  X p で割り切れないことを証明します。
    •  \displaystyle |X| = \binom{n}{p^a} = \prod_{k = 0}^{p^a-1} \frac{n-k}{p^a-k}
    •  0 \le k < p^a k = p^bl p \not\mid l とします。
    •  k p^a で割り切れないので  a > b
    •  \displaystyle \frac{n - k}{p^a-k} = \frac{p^am - p^bl}{p^a-p^bl} = \frac{p^{a-b}m - l}{p^{a-b}-l}
       p で割り切れません。なぜなら  p^{a-b}m p で割り切れ、 l p で割り切れないので  p^{a-b}m - l p で割り切れないためです。
    • よって  X p で割り切れません。
  •  |O(S)| p で割り切れないことを証明します。
    •  \displaystyle |X| = \sum_{i \in \mathrm{Im}(O)} |O^{-1}(i)|
    •  i \in \mathrm{Im}(O) が存在して  p \not\mid |O^{-1}(i)|
    •  S \in X が存在して  O^{-1}(i) = O(S)
    • よって  p \not\mid |O(S)|
  •  H = \mathrm{Stab}(S) = \{ g \in G \mid gS = S \} とおきます。
  •  H G の部分群になります。
  •  |H| p^a の約数であることを証明します。
    •  f: S \to \mathfrak{P}(S) s \mapsto Hs
    •  f^{-1}(Hs) = Hs より  f^{-1}(i) はある右剰余類  Hs に一致します。
    •  \displaystyle |S| = \sum_{i \in \mathrm{Im}(f)} |f^{-1}(i)| = \sum_{i \in \mathrm{Im}(f)} |H| = |\mathrm{Im}(f)| \cdot |H|
    •  |H| \mid |S| = p^a
  •  |G| = |O(S)| \cdot |H| |G| = p^am |O(S)| p で割り切れないので  |H| p^a で割り切れます。
  • よって  |H| = p^a が成り立ちます。