「証明路開発支援システム(30) 整列可能定理(9)」で証明ができたので「整列可能定理」の項目を作ってまとめることにします。まず『公理的集合論への一歩 無限についてのおはなし (数学セミナーライブラリー)』の引用した部分の証明を書いていきます。
定義 1.5 (3) 全順序集合 が以下を満たすとき、
は整列集合であるという:
のどんな部分集合
に対しても、
が空でなければ、(
についての)
の最小元が存在する。
つまり、 であって、どんな
の元
に対しても、
が
と異なれば
となるものが存在する。
定義 整列集合 と
の元
に対して
定理 1.8 (整列集合上の再帰的定義) を整列集合とする。
の各元
と各集合
に対して、集合
が与えられているとする。
このとき、以下の二つを満たす関数 がただ一つ存在する:
(1) の定義域は
である。
(2) すべての に対して
が成り立つ。
定義 1.9 (順序数) 集合 が以下の二つの性質を満たすとき、
は順序数であるという:
は推移的である。つまり、
と
を任意にとると、
である。
は整列集合である。
定理 整列集合の部分集合は、整列集合である。
[証明]
-
を整列集合、
とします。
-
は全順序集合となります。
-
、
とすると
となるので
は最小元を持ちます。
- よって
は整列集合となります。
補題 2.1 (1) を順序数として
とすると、
も順序数である。
[証明]
-
ならば
であることを証明します。
-
は順序数なので推移律より
です。
-
が順序集合であることから
が成り立ちます。
-
-
は整列集合であることを証明します。
-
は
の部分集合であることを証明します。
-
とすると
は順序数なので推移律より
です。
- よって
は
の部分集合です。
-
-
は整列集合
の部分集合なので整列集合となります。
-
- 以上により
は順序数です。
(2) と
を順序数とすると、
と
は同値になる。
[証明]
-
ならば
であることを証明します。
-
とします。
- (1) の証明と同様に
となります。
-
なので
です。
- よって
となります。
-
-
ならば
であることを証明します。
-
とします。
-
とします。
-
を証明します。
-
とすると
の最小性から
- よって
となります。
-
と仮定して
をとります。
-
、
、
は全順序集合なので
または
または
が成り立ちます。-
とすると
より
となり
に矛盾
-
とすると
より
となり
に矛盾
-
とすると
に矛盾
-
- よって
となる
は存在しません。
- よって
となります。
-
- よって
となります。
-
- よって
と
は同値となります。
(3) と
を順序数とすると、
あるいは
が成り立つ。
[証明]
-
は順序数であることを証明します。
-
ならば
であることを証明します。
-
、
は順序数なので推移律より
です。
-
、
は順序数なので推移律より
です。
- よって
が成り立ちます。
-
-
は整列集合であることを証明します。
-
は整列集合
の部分集合なので整列集合となります。
-
- 以上により
は順序数です。
-
-
かつ
ならば矛盾となることを証明します。
-
ならば
となります。
- (2) より
となります。
-
ならば
となります。
- (2) より
となります。
- よって
となり矛盾。
-
- よって
または
となります。
(4) と
を順序数とすると、
、
、
のいずれか一つのみが成り立つ。
[証明]
-
と
を順序数とすると、(3) より
または
となります。
- よって
または
または
となります。
- よって (2) より
または
または
となります。
(5) を順序数からなる集合とすると、
も順序数となる。
[証明]
-
ならば
であることを証明します。
-
となる
が存在します。
-
は順序数なので推移律より
です。
- よって
となります。
-
-
は整列集合であることを証明します。
-
が全順序集合であることを証明します。
-
は
、
、
のどれかを満たすことを証明します。
-
となる
が存在します。
-
は全順序集合なので
、
、
のどれかを満たします。
-
-
は
かつ
ならば
であることを証明します。
-
となる
が存在します。
-
は全順序集合なので
かつ
ならば
となります。
-
-
-
の空でない部分集合
に最小元があることを証明します。
-
をとります。
-
となる
が存在します。
-
とおきます。
-
が
ならば
であることを証明します。
- (4) より
ならば
または
となります。
-
ならば
より
-
となり
の最小性から
または
となって矛盾
- (4) より
- よって
は
の最小元となります。
-
-
- 以上により
は順序数です。
(6) を順序数からなる空でない集合とすると、
も順序数となる。
[証明]
-
ならば
であることを証明します。
- 任意の
に対して
となります。
-
は順序数なので推移律より
です。
- よって任意の
に対して
となります。
- よって
となります。
- 任意の
-
は整列集合であることを証明します。
-
が存在し、
は整列集合
の部分集合なので整列集合となります。
-
- 以上により
は順序数です。






