『公理的集合論への一歩 無限についてのおはなし (数学セミナーライブラリー)』から少し追加します。
定理 1.6 (超限帰納法) 整列集合 と
の元
についての命題
が与えられているとする。すべての
に対して、「どんな
に対しても
が成り立てば、
が成り立つ」という条件が成り立っているとする。このとき、すべての
に対して、
が成り立つ。
[証明]
-
が成り立たない
が存在すると仮定します。
- すると
が整列集合であることから
が成り立たない最小の
が存在します。
- すると定理の仮定から
が成り立つことになり、
が成り立たないことに矛盾します。
- よってすべての
に対して、
が成り立ちます。
定義 整列集合 と
の元
に対して
定理 1.8 (整列集合上の再帰的定義) を整列集合とする。
の各元
と各集合
に対して、集合
が与えられているとする。
このとき、以下の二つを満たす関数 がただ一つ存在する:
(1) の定義域は
である。
(2) すべての に対して
が成り立つ。
補題 2.1 (1) を順序数として
とすると、
も順序数である。
(2) と
を順序数とすると、
と
は同値になる。
(3) と
を順序数とすると、
あるいは
が成り立つ。
(4) と
を順序数とすると、
、
、
のいずれか一つのみが成り立つ。
(5) を順序数からなる集合とすると、
も順序数となる。
(6) を順序数からなる空でない集合とすると、
も順序数となる。
定義 2.2 順序数全体を と書き、順序数
に対して
が成り立っているとき、
と書く。
補題 2.3 (1) の順序数とすると、
は
となる最小の順序数
である。
[証明]
-
は順序数であることを証明します。
-
ならば
であることを証明します。
-
ならば
または
-
のときは
は順序数なので推移律より
となります。
-
のときは
となります。
-
-
は整列集合であることを証明します。
-
が全順序集合であることを証明します。
-
は
、
、
のどれかを満たすことを証明します。
-
または
、
または
です。
-
、
のときは
が全順序集合であることから成り立ちます。
-
、
のときは
です。
-
、
のときは
です。
-
、
のときは
です。
-
-
は
かつ
ならば
であることを証明します。
-
または
です。
-
のときは
が全順序集合であることから成り立ちます。
-
のときは
が順序数であることから成り立ちます。
-
-
-
の空でない部分集合
に最小元があることを証明します。
-
となります。
-
のときは
となり、
は空集合ではないので
となって
が最小元となります。
-
のときは
が整列集合であることから
が存在します。
-
なので
となります。
-
-
- 以上により
は順序数です。
-
-
なので
です。
-
を
となる順序数とします。
-
とすると
または
です。
- しかし補題 2.1 (4) よりこのようになることはありません。
- よって補題 2.1 (4) より
となります。
- よって
は
となる最小の順序数
です。
のことを
と書くことにします。
(2) を順序数からなる集合とすると、
は
の上限である。
[証明]
-
とおきます。
-
ならば
である(
は
の上界である)ことを証明します。
-
とします。
-
に最大元があれば
が最大元なので
です。
-
に最大元がなければ
となる
が存在します。
-
- よって
となります。
-
-
ならば
となる
が存在する(
ならば
は
の上界ではない)ことを証明します。
-
とします。
-
-
となる
が存在します。
- よって
となる
が存在します。
-
- よって
は
の上限となります。
(3) を順序数からなる空でない集合とすると、
は
の最小元である。
[証明]
- 任意の
に対して
- 補題 2.1 (2) より任意の
に対して
- よって
は
の最小元となります。






