エレファント・ビジュアライザー調査記録

ビジュアルプログラミングで数式の変形を表すことを考えていくブロクです。

エレファントなポアンカレ予想(1)

「論理プログラミング的ポアンカレ予想」は「エレファントなポアンカレ予想」に変更しました。エレガントではないものをエレファントというそうです。「補助線を1本引けば証明できる」というのがエレガントであるのに対して「計算すればできる」というのがエレファントとなります。この意味でホモロジーホモトピーの計算は非常にエレファントと言うことができます。これを論理プログラミング的な手法でさらにエレファントにすることができるか、ということが「エレファントなポアンカレ予想」の一連の記事の目標となります。

「はじめてのトポロジー」では曲面の分類を行っているので、この計算をやってみたいと思うのですが、曲面の定義は

  • ある図形  M の上の任意の点  P について、 P の周囲が円板と同じ形をしているとき、その図形を曲面という。

となっています。これは「2次元多様体」のことを表していると考えられますが分類については「連結2次元閉多様体」の分類を行っていると考えられます。この定義もどこかに書かれているのかもしれませんがよくわかりません。

このままでは計算をするのは難しいということと、ホモロジーの計算には三角形に分割すれば良いらしいということで三角形で考えることにして、

  • 有限個の三角形を辺のところでつなげたもので
  • 任意の三角形の辺には別の1つの三角形がつながっていて
  • 任意の三角形から別の三角形に隣の三角形をたどって到達することができる

という図形に同相であるものをここでは曲面と呼ぶことにします。

多様体、同相の定義はなくても計算はできそうなので定義は後回しとします。

この本には証明は載っていないようですが、曲面の分類について以下のようなことが書かれています。証明は三角形に分割すればできるらしいです。

定義

  • 曲面  M 上の閉曲線を曲面上の切断線といい、その切断線が曲面を2つの部分に分けるとき、その閉曲線をホモローグ0の切断線という。
  • 球面上の切断線はすべてホモローグ0です。このことを「球面の1次元ホモロジー群は0である」といいます。
  • トーラスのホモローグ0でない切断線の様子を表す  \mathbb{Z} \oplus \mathbb{Z} をトーラスの1次元ホモロジー群といいます。

定理(曲面の1次元ホモロジー群)

  • 球面  S :  H_1(S) = 0
  • 種数  n のトーラス  T_n :  H_1(T_n) = \mathbb{Z} \oplus \mathbb{Z} \oplus \cdots \oplus \mathbb{Z} ( 2n 個)
  • クライン管  K :  H_1(K) = \mathbb{Z} \oplus \mathbb{Z}_2
  • 射影平面  P :  H_1(P) = \mathbb{Z}_2