エレファント・ビジュアライザー調査記録

ビジュアルプログラミングで数式の変形を表すことを考えていくブロクです。

2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

群論の計算(2)

正規部分群 写像による分類 写像 と に対して と定義します。 に対して と定義します。注意:通常は に対して 、 に対して 、 に対して と定義するのですが、 の のところ、 の のところが1つの元の場合と集合の場合の区別ができないため、ここでは違う書き…

群論の計算(1)

『ガロア理論の頂を踏む』*1 では「一般の5次方程式が根号で解けないことをきちんと証明する」ということを目的として群論などの説明をしています。この議論の中には計算で説明できるものがあると思いますので、この本を参考にして群論の計算をやっていこう…

斜めの線を使わない圏論(2)

まだ圏論の詳しい説明に入っていませんがしばらくこのまま続けます。自由群の説明ができるぐらいまでなんとか数式で説明していきたいのですが、どこまでできるか調べているところです。直積と直和(圏論の用語では積と余積)で作られた以下の集合を考えます。…

斜めの線を使わない圏論(1)

先日圏論の説明をしようとしましたが、ここでは可換図式の斜めの線が書けないらしいので可換図式を書くのがけっこう難しいです。そこで図を使わずに数式の変形だけで説明できないのか考えていきたいと思います。圏の定義から(Wikipediaに従って)説明していき…

平方剰余の相互法則(7)

「平方剰余の相互法則 ガウスの全証明」IV、「数論への出発 増補版」に従って証明します。 【ガウスの和の定義】 をの原始 乗根とします。整数 に対して 、 と定義します。 【定理1】 (a) (b) [証明] (a) のとき を の生成元とします。もし だとすると、 と…

平方剰余の相互法則(6)

前回の【命題2】を前に使った図を使って見ていきます。 【命題2】 、 がではない異なる素数のとき、 が成り立ちます。図は , 01 ■ □ □ □ □ □ □ □ △▲[017/23] = 00 △▲■[017/23+1/2] = 01 ■[017/23+1/2]-[017/23] = 01 02 △ □ □ □ □ □ □ □ △▲[034/23] = 01 △▲■…

平方剰余の相互法則(5)

今回は「平方剰余の相互法則 ガウスの全証明」IIIに従って証明します。 【ガウス記号】 整数でない実数 に対して、 を超えない最大整数を で表します。これをガウス記号といいます。 となります。( が整数のときにも として定義されている場合があります。こ…

平方剰余の相互法則(4)

【平方剰余の相互法則】 , がではない異なる素数のとき、 が成り立ちます。[証明] 「平方剰余の相互法則 ガウスの全証明」Vに従って証明します。 から までの数 を以下のように の長方形の形に並べます。 [1] 縦 , 横 の位置には、 を で割った余りが 、 を …

平方剰余の相互法則(3)

以下の本を参照して平方剰余の相互法則の証明を調べてみたいと思います。 「平方剰余の相互法則 ガウスの全証明」 平方剰余の相互法則―ガウスの全証明作者:倉田 令二朗日本評論社Amazon 「数論への出発 増補版」 数論への出発作者:源二郎, 藤崎,芳彦, 山本,…

平方剰余の相互法則(2)

【剰余類】 整数全体の集合を と書きます。整数 , に対して を を法とする剰余類といいます。整数 , が同じ剰余類 に属することを は を法として に合同(, は を法として合同)であるといい と書きます。剰余類に とすることで足し算、引き算、掛け算を定義す…

平方剰余の相互法則(1)

以前別のところで書いたことがあるものですがここにも書いておきます。 【平方剰余】 ある整数 の平方を整数 で割ったときの余りが であるとき、 を法 に関する平方剰余といいます。 【ルジャンドルの記号】 が法 に関する平方剰余であるとき が法 に関する…

対称式の基本定理(8)

対称式の基本定理・証明4・一般の場合 一般の場合です。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基本対称式となります。のときはととが基本対称式となります。 対称式の基本定理 [定理]対称式は…

対称式の基本定理(7)

対称式の基本定理・証明4・3変数の場合 また別のやり方で証明してみます。まず3変数までの場合です。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基本対称式となります。のときはととが基本対称式と…

対称式の基本定理(6)

対称式の基本定理・証明3・一般の場合 では一般の場合です。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基本対称式となります。のときはととが基本対称式となります。 対称式の基本定理 [定理]対称…

対称式の基本定理(5)

対称式の基本定理・証明3・3変数の場合 今回はまた別のやり方で証明してみます。例によって3変数までの場合です。基本対称式の定義をまた書いておきます。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはと…

対称式の基本定理(4)

対称式の基本定理・証明2・一般の場合 今回は一般の場合について証明します。基本対称式の定義をもう一度書いておきます。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基本対称式となります。のとき…

対称式の基本定理(3)

対称式の基本定理・証明2・3変数の場合 今回は別のやり方で証明してみます。まずは3変数までの場合です。基本対称式の定義をもう一度書いておきます。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基…

対称式の基本定理(2)

対称式の基本定理・証明1・一般の場合 次に、一般の場合について証明します。その前に、基本対称式の定義をもう一度書いておきます。 基本対称式 変数の多項式 は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基本対称式となりま…

対称式の基本定理(1)

はてなダイアリーに対称式の基本定理について書いていたのですが、これもなぜか読みにくくなっているのでちょっと直して再び掲載していこうと思います。 文字を使った式 文字を含む式の中で、加法、減法、乗法だけで書けるもの(たとえばのようなもの)は、と…

論理計算と随伴関手(18)

論理計算の極限について細かいところは検証が必要ですがだいたいの説明はできました。元々は自由生成された半環の極限を考えていたのですが、これが論理計算の逆方向になるということが圏論の考え方で説明できると考えられます。圏論については詳しくないの…

Zornの補題(1)

Optimistic Mathematics のサイトで「Zornの補題」を選出公理から数式の変形で導くということを試みています。あまりうまくいっていないのですがとりあえず引用しておきます。 Zornの補題 集合Xにおける関係≦が、 (1) x≦x、 (2) x≦y, y≦z ⇒ x≦z、 (3) x≦y, y…

3次方程式のべき根による解法(2)

Optimistic Mathematics のサイトで3次方程式のべき根による解法についてもここと同様のこと書いているので、同じ内容をこちらにも書いておきます。ここでは体の中の多項式ということではなく単に多項式を使って説明しているようです。本質的といえば本質的…

2次方程式のべき根による解法

Optimistic Mathematics のサイトでも2次方程式の解法についてここと同様のこと書いているので、同じ内容をこちらにも書いておきます。 2次方程式のべき根による解法 を体とします。 、 を変数とし、 の元を係数とする多項式全体の集合を とおき、上の多項式…

3次方程式のべき根による解法

以前のブログからここのブログに移行したときに自動的に変換された記事があるのですが非常に読みにくくなっていたので書き直して掲載します。 3次方程式のべき根による解法 3次方程式 の根を 、、 とすると が成り立ちます。3次方程式 のべき根による解法と…