Optimistic Mathematics のサイトで3次方程式のべき根による解法についてもここと同様のこと書いているので、同じ内容をこちらにも書いておきます。ここでは体の中の多項式ということではなく単に多項式を使って説明しているようです。本質的といえば本質的なのでしょうけどたいして変わらないといえばたいして変わらないようです。とりあえず引用しておきます。
3次方程式のべき根による解法
を満たす元
を含む体とします。
、
、
を変数とし、
の元を係数とする多項式全体の集合を
とおき、
上の多項式
を考えます。
とおくと、
となります。 ここで 、
、
を
、
、
を使って表すことを考えます。
と置きます。
から
への全単射の全体を
とすると、
は次の表で定義される6つの元からなる集合
となります(
は恒等写像です)。 この表は、
の元
の
の元
による像
を表しています。
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の元
と
の合成
を、任意の
の元
に対して、
となるものとすると、
は次の表のようになります。
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の元
に対して、
、
のように書くとすると、
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となります。 この表から 、
は
ではなく、
となるものは、
と
であるということがわかります。
を
の元とします。
の元
は、
という形の有限個の和なので、
と定義することによって、
は
から
への写像と考えることができます。
から
への写像
、
に対して、
、
、
、
を
と定義します。
なので
とおくと、 となるので、
となります。 したがって、
となります。 、
より、
また、 となります。
とおくと、 となるので、
となります。 したがって、
となります。 よって
となり、 任意の の元
に対して
となります。
の
に
を代入して、
より
、
なので の
に
を代入して、
より
、
なので の
に
を代入して、
より
となるので、これらを代入すると、 の元
は、
の次数は0次、
の次数は1次、
の次数は2次以下にすることができます。 よって、
(
、
、
、
、
、
は、
、
、
の多項式) と表すことができます。
の任意の元
に対して、
であるとすると、
となるので、
は
、
、
の多項式で表すことができます (説明は省略します)。
よって任意の の元
に対して
は
、
、
の多項式で表すことができます。 とくに
となります。
の元
に対して
を満たす
の元
が存在するとき、 そのようなものの1つを
と書くことにします。 すると、
となるので、
も上の条件を満たします。
の元
が
を満たすとすると、
となるので、
となって、
または
となります。 よって、
または
となります。
または
とおきます。
とおくと、 となるので、
となり、これより
となります。
上に述べた式
に をほどこすと
となるので、 であり、
としたときの
は
としたときの
であり、
としたときの
は
としたときの
であり、
としても
としても、
か
のどちらかに
が得られる ということがわかります。
の元
に対して
を満たす
の元
が存在するとき、 そのようなものの1つを
と書くことにします。 すると、
、
となるので、
、
も上の条件を満たします。
の元
が
を満たすとすると、
となるので、
となって、
または
または
となります。 よって、
または
または
となります。
または
または
とおきます。
とおくと、 となるので、
となります。 したがって
となります。 また、
は
と
の対称式なので、任意の
の元
に対して
となります。 よって任意の
の元
に対して
は
、
、
の多項式で表すことができます。 とくに
となります。 よって
となります。 また
とおくと、
なので
となり、これより
となります。
上に述べた式
に を施すと
となり、 を施すと
となるので、 、
であり、
としても
としても
としても
または
または
のどれかに
が得られる ということがわかります。
、
とおくと、
の元
と
の元
に対して、
が含まれるものを
と定義することができます。
を
、
で生成される
上の多項式の集合とします。
であり、
であるので、 の元
の対して
、
となります。 よって
、
は
から
への写像と 考えることができます (
は恒等写像となります)。
、
は
の根であり、 はこの方程式の根の置換の全体に なります。
の根の置換によって、
の元
と
の元
が決まります。