対称式の基本定理・証明3・3変数の場合
今回はまた別のやり方で証明してみます。例によって3変数までの場合です。基本対称式の定義をまた書いておきます。
対称式の基本定理
[定理]
対称式は基本対称式の多項式となります。これを3変数()の場合について証明します。この場合基本対称式は となります。
[証明]
を対称式とします。 まず、いったん 、、とおきます。 すると
はどのようなについても成り立つ等式となります(を変数とする多項式として等しい)。 を代入するととなるのでが成り立ちます。
から
はどのような t についても成り立つ等式となります。 を代入するとより となります。
から
はどのようなについても成り立つ等式となります。 を代入するとよりとなります。 に、以上より得られた、、 を順に代入していくと、 については2次以下、については1次以下、は無くすることができます。 これをとおきます。 はの多項式となっています。 ここでに、、を代入してだけの式に戻すと
が成り立っています。 はの多項式、すなわち対称式となっています。 を とおきます。 は対称式なので、のすべての置換を考えると
が成り立ちます。 これらの等式はを変数とする多項式として成り立っています。
より
となります。よって
となります。 よって
、
となります。 同様に
、
、
となります。
より
となります。 同様に
となって
となります。 よって、となります。 (同様にとなります。) はの多項式だったので、はの多項式となります。
[証明終わり]