エレファント・コンピューティング調査報告

極限に関する順序を論理プログラミングの手法を使って指定することを目指すブロクです。

対称式の基本定理(7)

対称式の基本定理・証明4・3変数の場合

また別のやり方で証明してみます。まず3変数までの場合です。

基本対称式

 n変数の多項式

 s_{k}=\displaystyle \sum_{1 \le i_{1} < i_{2} <  \ldots  < i_{k} \le n}^{}x_{i_{1}}x_{i_{2}} \ldots x_{i_{k}}

は対称式となります( k=1,2, \ldots ,n)。これらの対称式を基本対称式といいます。 n=2のときは x_{1}+x_{2} x_{1}x_{2}が基本対称式となります。 n=3のときは x_{1}+x_{2}+x_{3} x_{1}x_{2}+x_{2}x_{3}+x_{3}x_{1} x_{1}x_{2}x_{3}が基本対称式となります。

対称式の基本定理

[定理]

対称式は基本対称式の多項式となります。これを1変数( x)の場合、2変数( x,y)の場合、3変数( x,y,z)の場合について順に証明します。 1変数( x)の場合は、 x自身が基本対称式と考えられるので、成り立っています。

2変数( x,y)の場合

この場合基本対称式は  x+y, xy となります。

[証明]

 f(x,y) を対称式とします。  a=x+y b=xyとおくと  y^{2}-ay+b=0となります。  f(x,y) x=a-yを代入して、 y^{2}=ay-bによって置き換えると、  xを含まず、 yについては1次以下にすることができます。 よって

 f(x,y)=p(a,b)+q(a,b)y

と書くことができます。  f(x,y),p(a,b),q(a,b)は対称式なので、この等式は x yを入れ替えても成立します。 すなわち

 f(x,y)=p(a,b)+q(a,b)x
 f(x,y)=p(a,b)+q(a,b)y

が成り立ちます。 よって

 q(a,b)(x-y)=0

となりますが、この等式は両辺の多項式が等しいということなので、 q(a,b)=0となります。 したがって

 f(x,y)=p(a,b)

となって、 f(x,y)は基本対称式の多項式となります。

[証明終わり]

3変数( x,y,z)の場合

この場合基本対称式は  x+y+z, xy+yz+zx, xyz となります。

[証明]

 f(x,y,z) を対称式とします。  a=x+y+z b=xy+yz+zx c=xyzとおくと  z^{3}-az^{2}+bz-c=0となります。  f(x,y,z) zについて整理して

 f(x,y,z)=g_{0}(x,y)+g_{1}(x,y)z+g_{2}(x,y)z^{2}+ \cdots +g_{n}(x,y)z^{n}

と書くと  g_{0}(x,y),g_{1}(x,y),g_{2}(x,y), \cdots ,g_{n}(x,y) x,yの対称式となります。 よって2変数の場合より、 g_{0}(x,y),g_{1}(x,y),g_{2}(x,y), \cdots ,g_{n}(x,y) a'=x+y b'=xy多項式となります。  a'=a-z b'=b-a'z=b-(a-z)z=b-az+z^{2}を代入して、 さらに z^{3}=az^{2}-bz+cによって zの3次以上の項を消去すると

 f(x,y,z)=p(a,b,c)+q(a,b,c)z+r(a,b,c)z^{2}

と書くことができます。  f(x,y,z)は対称式なので、

 f(x,y,z)=p(a,b,c)+q(a,b,c)x+r(a,b,c)x^{2}
 f(x,y,z)=p(a,b,c)+q(a,b,c)y+r(a,b,c)y^{2}
 f(x,y,z)=p(a,b,c)+q(a,b,c)z+r(a,b,c)z^{2}

が成り立ちます。 よって

 q(a,b,c)(x-y)+r(a,b,c)(x^{2}-y^{2})=0

 x,y,z多項式として成り立つので

 q(a,b,c)+r(a,b,c)(x+y)=0

となります。 同様に

 q(a,b,c)+r(a,b,c)(x+z)=0

となります。 よって

 r(a,b,c)(y-z)=0

となって  r(a,b,c)=0 q(a,b,c)=0 となり

 f(x,y,z)=p(a,b,c)

となって、 f(x,y,z)は基本対称式の多項式となります。

[証明終わり]