エレファント・ビジュアライザー調査記録

ビジュアルプログラミングで数式の変形を表すことを考えていくブロクです。

指数関数(2)

直接やり方を書いたらできるのかどうかをやってみます。『手を動かしてまなぶ ε-δ論法』に従って以下のように入力してみます。

連続の公理(上に有界な単調増加数列は収束する)から、任意の実数  a > 1 と任意の実数  x に対して、 a |x| < k を満たす自然数  k が存在することを証明してください

これはあまりちゃんとした証明にはなりませんでした。

連続の公理(上に有界な単調増加数列は収束する)から、アルキメデスの原理(任意の正の実数  a b に対して、ある自然数  n が存在して  na > b を満たす)を証明してください

これは少しおかしいところがありますが流れは合っています。

アルキメデスの原理から、任意の実数  a > 1 と任意の実数  x に対して、 a |x| < k を満たす自然数  k が存在することを証明してください

これは少し変なところがあります。これを以下のように指摘しました。

アルキメデスの原理を  1 b に適用すると、ある自然数  n が存在して  n > b を満たします。この議論を取り入れて証明を書き直してください

これは間違っているところがありますが流れは合っています。

次に、前回の議論を直接指摘することにします。前回の議論で余計な部分があったので書き直します。自然数  k a |x| < k を満たす自然数とすると  k > 0 となります。よって
 n < k のとき
 \displaystyle \frac{(a|x|)^n}{n!} < \frac{\max{\{1,(a|x|)^k\}}}{1} < k^k
 n \ge k のとき
 \displaystyle \frac{(a|x|)^n}{n!} = \frac{(a|x|)^k}{k!} \left( \frac{a|x|}{k+1} \cdot \frac{a|x|}{k+2} \cdots \frac{a|x|}{n} \right) < \frac{k^k}{1} \cdot 1 = k^k
であるから  M = k^k とおくと
 \displaystyle \left| \frac{x^n}{n!} \right| = \frac{(a|x|)^n}{n!} \cdot \frac{1}{a^n} < \frac{M}{a^n}
が成り立ちます。

以下のように入力しました。

任意の実数  a > 1 と任意の実数  x に対して、 a |x| < k を満たす自然数  k が存在します。このとき  M = k^k とおくと、任意の自然数  n に対して  \left| \frac{x^n}{n!} \right| < \frac{M}{a^n} が成り立つことを証明してください

これはうまくいきませんでした。以下は引用です。

与えられた条件  |x| < k から、 M = k^k とおくと、次のように証明します。

まず、 a |x| < k を満たす自然数  k が存在するという条件より、任意の自然数  n に対して、 a^n |x|^n < k^n が成り立ちます。

次に、 M = k^k とおくと、 k^n M よりも大きいので、 a^n |x|^n < k^n < M です。

さらに、 n! n が大きくなるにつれて急速に増加するので、 n! で割ることにより不等式の右辺が小さくなります。

したがって、 \left| \frac{x^n}{n!} \right| < \frac{M}{a^n} が成り立ちます。

これにより、任意の実数  a > 1 と任意の実数  x に対して、 a |x| < k を満たす自然数  k が存在する場合、 M = k^k とおくと、任意の自然数  n に対して  \left| \frac{x^n}{n!} \right| < \frac{M}{a^n} が成り立つことが示されました。