2020-08-11 群論の計算(40) ここでは計算を簡単にするために対称式の基本定理をもう一度見てみます。 対称式の基本定理 を体とします。 を 上の多項式環の商体(有理関数体) とおきます。 の対称群 の元 を 上の代数の同型 に拡張した写像全体の集合を とします。 上の多項式 の係数 を に関する 次の基本対称式と呼びます。、 とおくと となります。、 とおきます。 より 、よって が成り立ちます。 とおきます。 が成り立ちます。 に対して となる が存在します。 とすると より となります。よって となります。帰納法で を証明します。 [証明] 、 より となります。[証明終わり] [証明] 、 より となります。[証明終わり]、 が成り立っています。 と仮定します。 が成り立つことを以下でを証明します。 [証明] より の係数を比較すると となります。 となって帰納的に となります。[証明終わり] [証明] の任意の元 は と表すことができます。 となる が存在します。 とすると となるので が成り立ちます。よって となります。この行列はヴァンデルモンド行列と呼ばれ、その行列式をヴァンデルモンドの行列式と呼びます。ヴァンデルモンドの行列式は がすべて異なるならば ではありません。よって となって となります。[証明終わり]