2020-08-11 群論の計算(41) 3次方程式の冪根による解法で使えるかもしれないので3次の場合を書いておきます。内容は前の項と同じです。 対称式の基本定理(3次の場合) を体とします。 を 上の多項式環の商体(有理関数体) とおきます。 の対称群 の元 を 上の代数の同型 に拡張した写像全体の集合を とします。 上の多項式 の係数 を に関する 次の基本対称式と呼びます。同様に の係数 を に関する 次の基本対称式と呼びます。以下のようにおきます。 帰納法により 、、 を示します。 これは成り立っています。 この証明は以下の の証明と同様です。 [証明] の任意の元 は と表すことができます。 となる が存在します。 とすると なので が成り立ちます。よって となります。この行列はヴァンデルモンド行列と呼ばれ、その行列式をヴァンデルモンドの行列式と呼びます。ヴァンデルモンドの行列式は がすべて異なるならば ではありません。よって が成り立つので となります。[証明終わり]