エレファント・ビジュアライザー調査記録

ビジュアルプログラミングで数式の変形を表すことを考えていくブロクです。

論理プログラミング的ポアンカレ予想(2)

2次元の場合を見ていく前に、ホモトピーの定義がないとわかりにくいので、定義を書いていきます。ホモトピーのことが書かれた本を持っていなかったので「大学数学の入門5幾何学2 ホモロジー入門」という本を買いました。この本に従って説明をしていきますが、一般的な定義が何かよくわからないのでWikipediaも参考にします。多様体については本を持っていたと思うのですが見つからないので「大学数学の入門4幾何学1 多様体入門」という本を買いました。上記の本と同じシリーズなので整合性があると思われます。多様体についてはこの本に従って説明していきます。

基本群

 X位相空間とします。 \mathbb{R} の閉区間  [0, 1] = \{ x \in \mathbb{R} \mid 0 \le x \le 1 \} から  X への連続写像  f X 内の道と呼びます。 f(0) を始点、 f(1) を終点と呼びます。始点と終点が一致する道をループと呼びます。

連続写像  H: [0, 1] × [0, 1] → X が、 X 内の 2 つの道  f  g に対して  H(0, t) = f(t) かつ  H(1, t) = g(t) を満たすとき、写像  H を道  f, g の間のホモトピー写像と呼びます。2 つの道  f, g の間にホモトピー写像が存在するとき、 f g はホモトピック、または同じホモトピー型であるといい、 f \simeq g と表します。関係  \simeq は同値関係となります。この同値関係に関して道  f が属する同値類のことを  fホモトピー類といい、 [f] と表します。

 f, g に対して、 f(1) = g(0) が成り立つとき、積  f*g
 \displaystyle (f*g) (t)={\begin{cases} f(2t)&(0\leq t\leq {\frac {1}{2}}),\\
g(2t-1)&( {\frac {1}{2} } < t\leq 1)\end{cases}}
と定義します。また道  f に対し、 f の逆道  f^{−1} f^{−1}(t) = f(1 − t) と定義します。

位相空間  X 内の 1 点  p に対して、 p を基点とするループの全体  Ω(X, p) は、道の積に関して閉じています。この集合の同値関係  \simeq による商集合  \pi_1(X, p) に演算を  [f][g] = [f*g] と定義すると  \pi_1(X, p) はこの演算によって群となります。 [f]^{−1} = [f^{−1}] となります。この群を  X p を基点とする基本群または 1 次元ホモトピー群と呼びます。

 \varphi: X \to Y位相空間の間の連続写像とすると  [f] [\varphi \circ f] を対応させる写像  \pi_1(X, p) \to \pi_1(Y, \varphi(p)) は基本群の間の準同形写像となります。

ホモトピー

位相空間  X , Y連続写像  f_0: X \to Y f_1: X \to Y に対して、連続写像  H: [0,1] \times X \to Y f_0(x) = H(0, x) f_1(x) = H(1, x) を満たすものが存在するとき  f_0 f_1 はホモトピック、または同じホモトピー型を持つといい、 f_0 \simeq f_1 と表します。連続写像  H あるいは  f_t(x) = H(t, x) で定義される連続写像の族  \{f_{t}\}_{{t\in [0,1]}} f_0 f_1 の間のホモトピーと呼びます。

ホモトピー群

位相空間  X の点  p に対して、 p を基点とする  n 次元球面  S^n X への連続像の全体を  Ω^n(X, p) とします。この集合の同値関係  \simeq による商集合  π_n(X, p) は群となります。この  π_n(X, p) n 次元ホモトピー群と呼びます。

位相空間の間の連続写像  \varphi: X \to Y から基本群の場合と同様に作られた写像  \pi_n(X, p) \to \pi_n(Y, \varphi(p)) は、高次ホモトピー群の間の準同形写像となります。