エレファント・ビジュアライザー調査記録

ビジュアルプログラミングで数式の変形を表すことを考えていくブロクです。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

群論の計算(29)

体と自己同型写像(3) 定理 5.25 を 上の方程式の解とします。このとき を満たす が存在します。このような を原始元と言います。[証明] の 上の最小多項式 の根を の 上の最小多項式 の根を とおきます。 をとります。 とおきます。 であり、 に対して より …

群論の計算(28)

体と自己同型写像(2) 、 は体で とします。 が で と因数分解されるとします。このとき を の 上の最小分解体と言います。 の最小分解体の 上の自己同型群のことを の 上のガロア群と呼びます。最小分解体を すると と表します。 定理 5.23 、 は体で としま…

群論の計算(27)

体と自己同型写像(1) ここからは『ガロア理論の頂を踏む』に従って証明を見ていき、体上の代数の同型を使って証明が書けるところは書いていきたいと思います。前に書いた証明と同じ内容になってしまう場合もあります。 定理 5.1 が体 から体 への同型写像で…

群論の計算(26)

円分多項式 の 乗根 の解を の 乗根と呼びます。 とおくと の 乗根は 個存在し、それらは となります。 が成り立ちます。( は異なる複素数ですべて 乗すると になることからこのことがわかります。) の 乗根の中で 乗して初めて になる( である では 乗して…

群論の計算(25)

対称式の基本定理 個の変数 に関する 次の基本対称式 を以下のように帰納的に定義します。 () (、) となります。 変数の対称式全体の集合を 、 変数の基本対称式からなる多項式全体の集合を とおきます。 を整域とします。 とし( は異なる元)、 を の置換全…

群論の計算(24)

複素数(4) 実数体 上の多項式 が 上既約ではないとすると、 、、、、 を満たす が 存在します。 より となります。 と表すことができます。 となります。 となりますが、 なのでこのような は存在しません。よって は 上既約となります。 とおくと は体とな…

群論の計算(23)

体の代数拡大(2) () に対して部分環 の商体を 内で考え と表します。 は の部分体となります。 のとき となります。 を体の拡大とします。任意の が 上代数的であるとき、体拡大 は代数的であると言いいます。 を体の拡大とします。 ならば は代数的となりま…

群論の計算(22)

体の代数拡大(1) を体とします。 が の演算と 、 に関して体となっているとき の部分体と呼びます。 を の拡大体と呼びます。この関係にある体の組 を と表します。これを体の拡大と呼びます。 は の演算によって体 上の代数となります。 の 上のベクトル空…

群論の計算(21)

体上の多項式環(4) 一意分解整域上の多項式環 を環とします。 が の素元であれば、 は多項式環 の素元となります。[証明] 、、 とします。 のとき となって となります。 は素元なので または となります。よって または となります。 のとき成り立っている…

群論の計算(20)

体上の多項式環(3) 整域 を自明ではない単位元を持つ可換環とします(以下、環というときは自明ではない単位元を持つ可換環を指すものとします)。任意の に対して ならば または であるとき、 を整域と呼びます。体は整域となります。整数全体からなる環 は整…