エレファント・ビジュアライザー調査記録

ビジュアルプログラミングで数式の変形を表すことを考えていくブロクです。

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

エレファントな整数論(18)

整数の素因数分解 整数 が素数であることは (1) ならば または であることと同値となります。素数全体の集合を とし、 を の絶対値とします。 とおくと となります。 に対して 、 と書くことにします。 (2) ならば は素数の積で表すことができます。 [証明] …

エレファントな整数論(17)

整数の素数の積への分解 を整域、 を の単項イデアル全体の集合とします。 で生成された単項イデアルを と書きます。 だけからなるイデアルを と書き、イデアル だけからなる集合を と書くことにします。 (E2) 、、 ならば (ユークリッド関数の条件(2)*1と同…

エレファントな整数論(16)

自由生成可換モノイド 可換モノイド (演算を と書きます)の部分集合 は以下の条件 (F1) を満たすとします。 (F1) 、、 ならば、任意の に対して が存在して、 となって、 から を除いたものを 、 から を除いたものを とすると、 となります。 可換モノイド …

エレファントな整数論(15)

整域の元の素元への分解の一意性 (1) 整域 の素元 に対して、 ならば、 となる が存在します。 [証明] となるので、これを繰り返すとある が存在して 以外のすべての に対して となるので主張が成り立ちます。[証明終わり] (2) 整域 の素元 に対して、 なら…

エレファントな整数論(14)

「半環上のフラクタル代数(5) - エレファント・コンピューティング調査報告」で環上のモノイド代数について説明しましたが、追加も含めて再び書いておきます。 環上のモノイド代数(の半環版) を単位元を持つ可換半環、 をモノイドとします。 とおきます。 に…

エレファントな整数論(13)

整域 の素元全体の集合を 、既約元全体の集合を とします。 によって( の乗法によって)生成されたモノイドを とおきます。 のイデアル全体の集合を とおきます。 を とします。 を と書きます。 に対して を と書きます。 のとき を一意分解整域と呼びます。…

エレファントな整数論(12)

エラトステネスのふるい(2) 整数の場合 次に「エラトステネスのふるい」の整数の場合を考えます。 を整数全体の集合とし、以下 とします。 を自然数全体の集合とし、 を を の絶対値に写す写像とします。 は となる が存在するとき の単元と呼びます。 の単…

エレファントな整数論(11)

エラトステネスのふるい(1) 一般の整域の場合 ここでは既約元の定義から「エラトステネスのふるい」を一般化したものを導くことを考えます。 を整域とします。 は となる が存在するとき の単元と呼びます。 の単元全体の集合を と書きます。 とおきます。 …

エレファントな整数論(10)

「群論の計算(20) - エレファント・コンピューティング調査報告」でも書いているのですが、整数の素数の説明を書くために、素イデアル、素元、既約元などの説明をまた書いておきます。 整域 を単位元を持つ自明ではない可換環とします。任意の に対して なら…

エレファントな整数論(9)

ユークリッド整域 を整域とします。 (1) (除法の原理) 、 とすると以下のような が存在する。 かつ または (2) 、、 ならば という2つの条件を満たす (ユークリッド関数)が存在するとき、 をユークリッド整域と呼びます(この定義はWikipediaによります*1 )。…

エレファントな整数論(8)

剰余類 に対して と定義します。 に対して と定義します。 に演算 を に対して と定義すると、 はアーベル群になります。この元を剰余類と呼びます。 とし を とします。 は群の準同型となります。 に対して とおきます。 のとき とすると となる が存在しま…

今後の課題

数学的帰納法の記法 数学的帰納法に関する計算を「」という書き方でやっています。「素因数分解の一意性」の証明をこの記法で行うことが目標となっています。このままの記法でできると思うのですが、できない場合は新しい記法を考えていきます。 可換な和、…