2007-08-13 対称式の基本定理 [定理]対称式は基本対称式の多項式となります。これを1変数()の場合、2変数()の場合、3変数()の場合について順に証明します。 1変数()の場合は、自身が基本対称式と考えられるので、成り立っています。 2変数()の場合 この場合基本対称式は となります。[証明] を対称式とします。 、とおくと となります。 にを代入して、によって置き換えると、 を含まず、については1次以下にすることができます。 よって と書くことができます。 は対称式なので、この等式はとを入れ替えても成立します。 すなわち が成り立ちます。 よって となりますが、この等式は両辺の多項式が等しいということなので、となります。 したがって となって、は基本対称式の多項式となります。[証明終わり] 3変数()の場合 この場合基本対称式は となります。[証明] を対称式とします。 、、とおくと となります。 をについて整理して と書くと はの対称式となります。 よって2変数の場合より、は 、の多項式となります。 、を代入して、 さらにによっての3次以上の項を消去すると と書くことができます。 は対称式なので、 が成り立ちます。 よって がの多項式として成り立つので となります。 同様に となります。 よって となって 、 となり となって、は基本対称式の多項式となります。[証明終わり]