体と自己同型写像(6)
次の定理も流れはだいたい同じように見えます。いったん本の通りにやってみます。
定理 5.31
を 上の方程式 の最小分解体とし、 を と の任意の中間体とします。このとき、 となる が存在します。 を解に持つ 上の最小多項式を とすると、 は の最小分解体となります。
の解を とします。 を満たし、 の元を不変にする の自己同型写像 が存在して
が成り立ちます。
また、 として、 における の固定群を とすると
が成り立ちます。
[証明] の根を とすると となります。定理 2.5、定理 2.6 (定理 2.5、定理 2.6 は の代わりに としても成り立つため) より となる が存在します。定理 5.3 (定理 5.3 は の代わりに としても成り立つため) より の 上の最小多項式を 、その次数を とすると となります。 の正規性(定理 5.30)により の元 が根となる 上の多項式 の根 はすべて に含まれます。 ですから、 となり、 は 上の多項式 の根の最小分解体となります。
定理 5.7 (定理 5.7 は の代わりに としても成り立つため) より に作用する同型写像のうち の元を不変にする写像は の根 を共役な根 に写します。 に作用する同型写像 で
を満たし、 の元を不変にするものは から への同型写像となります。
定理 3.6 (5) (定理 3.6 (5) は の代わりに としても成り立つため) より は重根を持たず はすべて異なります。 に作用する同型写像 で を満たし、 の元を不変にするものはちょうど 個となります。よって の自己同型写像像で の元を不変にするものは 個以下となります。 の正規性(定理 5.30)により はすべて に含まれるので であり と の次元が同じなので定理 5.16 より となります。同型写像 はすべて の自己同型写像になります。
が成り立ちます。
は に作用するすべての自己同型写像からなる群でしたから における の固定群を は の元のうちで を固定するすべての自己同型写像からなる群です。一方 は の元を不変にする のすべての同型写像なので となりますが はすべて自己同型写像なので が成り立ちます。[証明終わり]