2007-01-01から1年間の記事一覧
この証明は、実際に対称式を基本対称式の多項式で表す方法を示しています。 を基本対称式 の多項式で書いてみます。 第1段階 に含まれる項の中で、定理の証明で述べた順序に関して最大の項は となります。 によって変形する(両辺の差をとる)と となります。 …
[定理]対称式は基本対称式の多項式となります。これを3変数()の場合について証明します。この場合基本対称式は となります。[証明] を対称式とします。 は という形の式の和の形で書くことができます。 この という形の式を単項式といいます。 の中に(和の成…
変数の多項式 は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基本対称式となります。のときはととが基本対称式となります。
では、「対称式の基本定理」の証明を書こうと思いますが、これはけっこうめんどうなので、まず3変数の場合からやってみます。
詳解 代数入門作者: 彌永昌吉,有馬哲,浅枝陽出版社/メーカー: 東京図書発売日: 1990/02/01メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (3件) を見る代数方程式とガロア理論 (共立叢書 現代数学の潮流)作者: 中島匠一出版社/メーカー: 共立出版発売…
集合からそれ自身への全単射の全体は、写像の合成を演算として群になります。このを次の対称群といいます。 多項式が対称群の任意の元に対して を満たすとき、多項式を対称式といいます。
複数の変数に関する多項式も同様に定義することができます。 変数の多項式とは、1変数の場合と同様に、文字から加法、減法、乗法によってできる式となります。多項式の加法、乗法を、やはり通常の加法、乗法のように定義することができ、この演算によって多…
以上のことを考えて、環上の多項式を以下のように定義します。 を単位元をもつ可換環とします。 ()という形の式を、の元を係数とする変数(不定元ともいいます)の多項式といいます。多項式の加法、乗法は上に書いたように(文字を含む式の加法、乗法のように)…
文字を含む式の中で、加法、減法、乗法だけで書けるもの(たとえばのようなもの)は、 という形にすることができます(たとえばのときはと書ける)。 この という形の式を変数の多項式といいます。多項式の和、積は多項式になります。多項式 と の加法は、まずと…
今回はまず、多項式について説明したいと思います。その後、「対称式の基本定理」と代数方程式の代数的解法について書いてみる予定です。
まず多項式の説明から書いてみたいと思います。
代数方程式の解法の前に、対称式の基本定理について書いてみようかと思っています。
今まで書いていた3次方程式の解法ですが、わかりにくいので書き直そうと思っています。
、、の場合について計算してみます。 となります。となります。 より となります()。、となります。の1つはとなるので となって となります()。
とおいて計算してみます。 とすると となります。 を、この、、で表します。を、、となる変換、を、、となる変換とします。、とおくと となります。、、が成り立っています。 となります。とおきます。またの平方根のうちの1つをとおきます。 となります()。…
第4段階、第5段階で平方根、立方根を取る取り方のうち、どの取り方が可能かを考えてみます。 とおいたときの、、、は のパターンが考えられます。
次に、第1段階で作った 、、 の多項式 から、、 のある変換 で変わらない多項式 を作ります。 を 、、となる、、の多項式上の変換とすると、 となります。 とおくと()、 となるので[tex:\tau(\zeta_{m,n}^2) = \tau(\zeta_{m,n})^2 = *1 = g_{m,n}(\xi)]とな…
を で表すことによって を、、 の加減乗除と平方根、立方根で表します。 を満たす複素数 は3つあります。その1つを と書きます。このとき他の2つは 、 です。 は、これ自体が で不変なので、1つの値に決まってしまいます(これをとします)。 と の方は、異な…
を で表すことによって を、、 の加減乗除と平方根で表します。 を満たす複素数 は2つあります。その1つを と書きます。このときもう1つは です。 の方は、これ自体が で不変なので、どちらか一方に決まってしまいます(これをとします)。 の方は、異なる2つ…
次に、第2段階で作った を、、の多項式として表します。 を、、の対称群 とします。 は の正規部分群となります。 となります。 、 であることから は のすべての変換で不変となります。 、、の多項式で、、、を入れ替えても変わらないものを、、の対称式と…
まず、、、 の多項式 から 、、 のある変換 で変わらない多項式 を作ります。 を、、の多項式とします。 を 、 、となる、、の多項式上の変換とすると、 となります。 とおくと()、 となるのでとなります。したがってとおくと、となります()。
3次方程式 の根を 、、 とすると が成り立ちます。3次方程式 のべき根による解法とは、、、を、、、の足し算、引き算、掛け算、割り算、平方根、立方根の組み合わせだけで表すということです。複素数 を の原始3乗根とします。(3乗してになる複素数のうちで3…