非専門的シンギュラリティー研究所

無限に動き続けるシステムを表す方法を AI なども使って考えていきます。

数学ゲーム(27)

フェルマーの小定理パズル(4)

前回の説明を剰余類の演算を使って書き直します。群論的説明としてはこちらの方が良いのではないかと思います。これも後で検討します。

 \mathbb{Z} (整数全体の集合)における  p を法とする剰余類を  (p)+n とします( n は整数)。剰余類全体  Z_p = \{ (p)+1,\ (p)+2,\ (p)+3,\ldots ,\ (p)+p-1 \} (= \mathbb{Z}/p\mathbb{Z}) に加法、減法、乗法を定義することができて、 Z_p は環となります。

フェルマーの小定理

 p を素数、 a p の倍数でない整数( a p は互いに素)とすると、 a^{p-1} \equiv 1 \pmod p

証明(1')

集合  Z_p = \{(p)+1,\ (p)+2,, \ldots ,\ (p)+p-1 \} と写像  f: Z_p \to Z_p f(k) = (p)+ka を考えます。

 f( (p)+i) = f( (p)+j) となる  i,\ j \ ( 0 < i,\ j < p) をとると  (p)+(i-j)a = 0 となります。 a p が互いに素なので、  (p)+i = (p)+j となり、  0 < i,\ j < p であることから、  i=j となります。よって写像  f: Z_p \to Z_p は単射となり、 f の像  f(Z_p) の元の個数と  Z_p の元の個数は等しくなります。 f(Z_p) \subseteq Z_p Z_p は有限集合なので  f(Z_p) = Z_p となります。

よって写像  f: Z_p \to Z_p は全単射となり、 (p)+1,\ (p)+2,, \ldots ,\ (p)+p-1 の順序を入れ替えるだけの写像となるので、すべての  f(i) の積  \displaystyle \prod_{i=1}^{p-1}( (p)+ia) (p)+1,\ (p)+2, \ldots ,\ (p)+p-1 の積  \displaystyle \prod_{i=1}^{p-1}( (p)+i) = (p)+(p-1)! と等しくなります。すなわち
 \displaystyle \prod_{i=1}^{p-1}( (p)+ia) = (p)+(p-1)!
となります。

よって
 \displaystyle (p)+\prod_{i=1}^{p-1} ia = (p)+(p-1)!
 (p)+(p-1)!\ a^{p-1} = (p)+(p-1)!
となります。  p が素数であることから、  p (p-1)! とは互いに素なので、 (p)+a^{p-1} = (p)+1、よって  a^{p-1} \equiv 1 \pmod p が成り立ちます。

証明(2')

「ユークリッドの互除法」によって  f が全単射であることを示します。

 a p が互いに素であることからユークリッドの互除法によって  am + pn = 1 を満たす整数  m n が存在します。写像  g: Z_p \to Z_p g( (p)+k) = (p)+km を考えます。 f(g( (p)+k)) = (p)+k となるので  f(Z_p) = Z_p となります。 Z_p は有限集合なので  f は全単射となります。

これは  Z_p 0 以外の元に「逆数」が存在することを表しているので、 Z_p は体となります。(1') より (2') の方が「逆数」の存在がわかりやすいです。

それ以外は証明(1')と同様です。