エレファント・ビジュアライザー調査記録

ビジュアルプログラミングで数式の変形を表すことを考えていくブロクです。

2020-01-01から1年間の記事一覧

平方剰余の相互法則(3)

以下の本を参照して平方剰余の相互法則の証明を調べてみたいと思います。 「平方剰余の相互法則 ガウスの全証明」 平方剰余の相互法則―ガウスの全証明作者:倉田 令二朗日本評論社Amazon 「数論への出発 増補版」 数論への出発作者:源二郎, 藤崎,芳彦, 山本,…

平方剰余の相互法則(2)

【剰余類】 整数全体の集合を と書きます。整数 , に対して を を法とする剰余類といいます。整数 , が同じ剰余類 に属することを は を法として に合同(, は を法として合同)であるといい と書きます。剰余類に とすることで足し算、引き算、掛け算を定義す…

平方剰余の相互法則(1)

以前別のところで書いたことがあるものですがここにも書いておきます。 【平方剰余】 ある整数 の平方を整数 で割ったときの余りが であるとき、 を法 に関する平方剰余といいます。 【ルジャンドルの記号】 が法 に関する平方剰余であるとき が法 に関する…

対称式の基本定理(8)

対称式の基本定理・証明4・一般の場合 一般の場合です。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基本対称式となります。のときはととが基本対称式となります。 対称式の基本定理 [定理]対称式は…

対称式の基本定理(7)

対称式の基本定理・証明4・3変数の場合 また別のやり方で証明してみます。まず3変数までの場合です。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基本対称式となります。のときはととが基本対称式と…

対称式の基本定理(6)

対称式の基本定理・証明3・一般の場合 では一般の場合です。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基本対称式となります。のときはととが基本対称式となります。 対称式の基本定理 [定理]対称…

対称式の基本定理(5)

対称式の基本定理・証明3・3変数の場合 今回はまた別のやり方で証明してみます。例によって3変数までの場合です。基本対称式の定義をまた書いておきます。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはと…

対称式の基本定理(4)

対称式の基本定理・証明2・一般の場合 今回は一般の場合について証明します。基本対称式の定義をもう一度書いておきます。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基本対称式となります。のとき…

対称式の基本定理(3)

対称式の基本定理・証明2・3変数の場合 今回は別のやり方で証明してみます。まずは3変数までの場合です。基本対称式の定義をもう一度書いておきます。 基本対称式 変数の多項式は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基…

対称式の基本定理(2)

対称式の基本定理・証明1・一般の場合 次に、一般の場合について証明します。その前に、基本対称式の定義をもう一度書いておきます。 基本対称式 変数の多項式 は対称式となります()。これらの対称式を基本対称式といいます。のときはとが基本対称式となりま…

対称式の基本定理(1)

はてなダイアリーに対称式の基本定理について書いていたのですが、これもなぜか読みにくくなっているのでちょっと直して再び掲載していこうと思います。 文字を使った式 文字を含む式の中で、加法、減法、乗法だけで書けるもの(たとえばのようなもの)は、と…

論理計算と随伴関手(18)

論理計算の極限について細かいところは検証が必要ですがだいたいの説明はできました。元々は自由生成された半環の極限を考えていたのですが、これが論理計算の逆方向になるということが圏論の考え方で説明できると考えられます。圏論については詳しくないの…

Zornの補題(1)

Optimistic Mathematics のサイトで「Zornの補題」を選出公理から数式の変形で導くということを試みています。あまりうまくいっていないのですがとりあえず引用しておきます。 Zornの補題 集合Xにおける関係≦が、 (1) x≦x、 (2) x≦y, y≦z ⇒ x≦z、 (3) x≦y, y…

3次方程式のべき根による解法(2)

Optimistic Mathematics のサイトで3次方程式のべき根による解法についてもここと同様のこと書いているので、同じ内容をこちらにも書いておきます。ここでは体の中の多項式ということではなく単に多項式を使って説明しているようです。本質的といえば本質的…

2次方程式のべき根による解法

Optimistic Mathematics のサイトでも2次方程式の解法についてここと同様のこと書いているので、同じ内容をこちらにも書いておきます。 2次方程式のべき根による解法 を体とします。 、 を変数とし、 の元を係数とする多項式全体の集合を とおき、上の多項式…

3次方程式のべき根による解法

以前のブログからここのブログに移行したときに自動的に変換された記事があるのですが非常に読みにくくなっていたので書き直して掲載します。 3次方程式のべき根による解法 3次方程式 の根を 、、 とすると が成り立ちます。3次方程式 のべき根による解法と…

論理計算と随伴関手(17)

下方向が証明図の方向になるように書き直しました。前回の例で考えると が成り立てば良いので とすれば良いということになります。 を満たす を考えます。「 を 項から 項に切り詰めたもの」は となります。 からなる射影系の射影的極限を証明図の極限と考え…

論理計算と随伴関手(16)

に対応する で決まる証明図の逆方向の写像を とします。 を と定義します。これは証明図の逆方向の写像となります。 を と定義します。これは証明図の方向の写像となります。 を を満たすものとします。 として を の元 に変換する(切り詰める)ことを考えま…

論理計算と随伴関手(15)

証明図を遡る説明のとき、成功の場合を含めるのか含めないのか明言していませんでしたが、実質は証明が成功でも失敗でもないときの極限となっていました。証明図の極限を考えることが目的だったのですが、証明図が書けないときの極限になっているというので…

論理計算と随伴関手(14)

証明図の逆方向の極限 シークエント計算 LK の と の証明図のパターンを下から上にたどると、変数のところは推論が成立するような項で置き換えられれば良いということがわかります。すべての項について調べれば良いのですが証明図には一つの項しか書けないの…

論理計算と随伴関手(13)

以前説明したものの繰り返しになるのですが、もう少し詳しく説明したいと思います。その前に以前シークエント計算の説明をしたときに変数の説明が抜けていたようなので、これも以前の繰り返しになりますが説明したいと思います。 論理プログラミング まず論…

論理計算と随伴関手(12)

論理プログラミングが成功となるのは一つの積に対して成功すれば良いので、以前の説明は合っていたようです。もう少し詳しく説明しないといけないようです。

論理計算と随伴関手(11)

前回変数を含まない項を変数を含まない写像で証明図の方向の逆の方向へ写すということを考えましたが、この写像は変数を含む場合は一つの写像で良いのですが、変数を含まない場合は項(積の項)ごとに別々の写像が必要であるため、前回の説明は間違っていたよ…

論理計算と随伴関手(10)

論理プログラミングのプログラムが成功したとき、変数は変数を含まない項に置き換えられるのが普通です。したがって成功したときの場合を考えると、変数の代わりにすべての変数を含まない項について調べれば良いということになります。 を「シークエント」全…

論理計算と随伴関手(9)

を集合(本来は「シークエント」全体の集合)、 で自由生成された代数系(本来は分配束)全体の集合を とおきます(Wikipediaによると代数的構造を持つ集合は代数系と呼びます)。 は本来は分配束なのですが、可換冪等半環、可換半環、可換環の場合も考えていきま…

論理計算と随伴関手(8)

対角関手 (Wikipediaを参照) 対角関手の定義 圏 と に関して対角関手 は以下のようなものとなります。 圏 の対象 に対して は の対象となります。これは以下のような関手 となります。 の対象に対しては の対象 を対応させる。 の射に対しては の恒等射 を対…

論理計算と随伴関手(7)

論理プログラミングの「極限」は逆像として表すことができることがわかりましたが、逆像は「引き戻し」として表すことができるようです。「引き戻し」は「極限」で表すことができるのでここから考えていきます。環の理論を使ってクライアント側の関数プログ…

論理計算と随伴関手(6)

論理プログラミングとシークエント計算の関係について以前書いていましたが、まとめてみます。論理プログラミングで述語式の列(ゴール節) を実行するには、、、…、 をすべて(Prologの場合は順に)実行することになります。これは証明図で書くと以下のようにな…

論理計算と随伴関手(5)

集合 の1個以上有限個の元からなる集合の全体を とおきます。 は和集合を演算とすることにより集合 によって自由生成された自由冪等可換半群と考えることができます。集合 によって自由生成された自由半群 (演算を のように書くことにします)とし、 によって…

論理計算と随伴関手(4)

半環について考える前に、半群についてもう少し考えてみます。集合 によって自由生成された自由半群 は の元からなる1個以上有限個の文字列の全体として定義することができます。集合 によって自由生成された自由モノイド は の元からなる0個以上有限個の文…