フェルマーの小定理パズル(10)
続いて(1)、(12)、(13)を見ていきます。少し記法を変えます。
「環の演算システム」があるとします。
二項定理の証明
- (1) 単位元を持つ可換環
に対して単位元を持つ可換環
を定義することができます。
- (12)
に対して
を
と定義します。
は単位元を持つ可換環の準同型となります。
- (13)
に対して
が成り立ちます。(
は自然数)
(1) 単位元を持つ可換環
に対して単位元を持つ可換環
を定義することができます。
を整数全体から
への写像
で
以上の有限個の
以外は像
が
であるもの(これを
と書きます)全体とします。
- すべての
に対して
である
を
とします。
であり、それ以外のすべての
に対して
である
を
とします。
とします。
が可換環であることから加法の結合法則、交換法則が成り立ち、
は加法の単位元となります。
とすると
は
の加法の逆元となります。
- 加法の交換法則:
- 加法の単位元:
- 加法の逆元:
- 加法の結合法則:
- 加法の交換法則:
とします。
が単位元を持つ可換環であることから乗法の交換法則が成り立ち、
は乗法の単位元となります。
- 乗法の交換法則:
- 乗法の単位元:
- 乗法の交換法則:
が可換環であることから分配法則が成り立ちます。
- 分配法則:
- 分配法則:
が可換環であることから以下の計算により乗法の結合法則が成り立ちます。
のとき
だから
とすると
のとき
だから
のとき
だから
一方
であることから となります。
よって は単位元を持つ可換環となります。
「環の演算システム」では、プログラミング言語のような形で演算を定義すると、環の演算の性質を満たすかどうかを調べる機能があるとします。
(12)
に対して
を
と定義します。
は単位元を持つ可換環の準同型となります。
よって は単位元を持つ可換環の準同型となります。
「環の演算システム」では、プログラミング言語の関数のような形で写像を定義すると、それが環の準同型かどうかを調べる機能があるとします。
(13)
に対して
が成り立ちます。(
は自然数)
(2)、(3)、(7)、(10)、(12)から が成り立ちます。
のときは
を
で置き換えると
が成り立ちます。この等式は
のときも成り立ちます。
「環の演算システム」では、環の準同型を使ってある命題が成り立つかどうかを調べる機能があるとします。





