エレファント・ビジュアライザー調査記録

ビジュアルプログラミングで数式の変形を表すことを考えていくブロクです。

2021-01-01から1年間の記事一覧

代数的構造による圏論(6)

第5章 普遍性 最初の方は定義を引用するだけとします。 ①終対象と始対象 定義 5.1 圏 の対象 が、 の任意の対象 に対して から への射がただ一つ存在するとき、 を の終対象と呼びます。この一意的な射を と書きます。 の反対圏 の終対象を の始対象と呼びま…

代数的構造による圏論(5)

自然変換については良い書き方が見つからないので、ほぼ「圏論の道案内 ~矢印でえがく数学の世界~」に従って書いていきます。 第4章 自然変換 ④自然変換の例2:hom 関手間の自然変換 まず「第3章 関手 ②関手の例1:順序を保つ写像,反変関手・双対圏」から…

代数的構造による圏論(4)

このブログでは、通常の論理プログラミングでは無限に動くプログラムを書くことができないので「極限」の考え方でなんとかできないか、ということでやっています。ある種の射影的極限、帰納的極限は外積の定義を書いたところで書いたように、構成的に定義す…

代数的構造による圏論(3)

「第4章 自然変換」を見ていきます。コンマ圏のところまでは、どうやれば良いのかわからないのでそのままの書き方で書いていくことにします。 第4章 自然変換 ①自然変換の定義1 、 を圏 から への関手とします。 このとき、 から への 自然変換 は の各対象 …

代数的構造による圏論(2)

「圏論の道案内」では自然変換を中心に説明されているということなので、「第4章 自然変換」のあたりから読んでいこうと考えています。その前の「第3章 関手」ではいろいろな例が書かれていますが、これは自然変換に関連したものと思われます。その前に「前…

代数的構造による圏論(1)

このブログでは普通の圏論の本に載っているような図式を書くことができないらしいので、「斜めの線を使わない圏論」では、自由生成モノイド、自由生成可換モノイド、自由生成半環などを構成するような方法で、極限、随伴などを説明することができないか検討…

エレファントな整数論(23)

写像の分類の説明 を集合、 を写像とします。、、 を前回と同じものとします。 をとり とおきます。前回の説明を続けていきます。 に対して とおきます。以下の条件を考えます。条件 から を追加します。 任意の に対して 任意の に対して 上で は単射 上で …

エレファントな整数論(22)

写像の性質の続き 前回の議論では足りないところがあるので追加していきます。証明はまとめることができると思うのですが、できませんでした。集合論の中の自然数論のような話題だと思うので、まとめて書かれているところがあると思うのですが、見つけること…

エレファントな整数論(21)

「エレファントな整数論(3)」で書いたような内容ですが、また書き直していきます。 全射・単射・有限集合 を集合、 を写像とします。任意の に対して ならば であるとき、 を単射と呼びます。任意の に対して となる が存在するとき、 を全射と呼びます。 が…

エレファントな整数論(20)

「不等式の方法」で証明を書いていこうと思いますが、その前に必要なことを「集合と位相」に従って書いておきます。 集合と写像 、、 とします。、 を以下のように定義します。 以下のことが成り立ちます。(「集合と位相」定理5.2 を参照) (1-1) [証明] [証…

中間報告(5)

このブログは、論理プログラミングに実行順序を指定する機能を追加してサーバーで動作するような無限に動作するプログラムを記述することを一つの目標としています。この方法についていろいろな案を考えていきたいと思います。 前回の中間報告以降更新したも…

エレファントな線形代数(5)

行列式 「現代数学のエレファント」の記事で行列式を使って説明を書いていましたが、計算が長くなりすぎるため中断していました。しかし行列式を使わないとうまく説明できないことがあるので、もう一度説明していきます。 線型写像 を体 上の 次元ベクトル空…

エレファントな線形代数(4)

順序に依存する掃き出し法 ここで再び順序に依存する場合を考えます。 とし、以下のように を決めます(順序に依存する列をこのように書くことにします)。 とします。 を をと書くことにします。 ならば が存在する ( は が存在しないことを表す) ならば とし…

エレファントな線形代数(3)

掃き出し法の順序に依存しない記法(3) 解が一意的となるように書き直したいと思います。有理数全体の体 に を付け加えて拡大した体を とします。、 を の基底とします。 とし、ベクトル空間 の部分空間全体の集合を とします。 とおきます。 の元 が一次方程…

エレファントな線形代数(2)

掃き出し法の順序に依存しない記法(2) 前回の議論では何が解となるのか明確には書いていなかったので、わかるように書き直したいと思います。連立一次方程式 を、有理数全体の体 に を付け加えて拡大した体 で考えます。逆行列を行列式で表すことができるこ…

エレファントな線形代数(1)

連立一次方程式 拡大された掃き出し法の記法 連立一次方程式 を、 を文字と考えて、有理数全体の体 に付け加えて拡大した体 で考えます。「現代数学のエレファント」の記事でこの連立一次方程式を掃き出し法で解く方法を書こうとしましたが、記述が複雑にな…

エレファントな整数論(19)

最後の式の書き方を少し変更します。 (8) を0個以上の有限個の正の素数からなる多重集合とするとき、 ならば となります。 [証明] となる が存在しないとすると となります。 ならば となって となるので となります。 となる が存在するならば、(7) より と…

エレファントな整数論(18)

整数の素因数分解 整数 が素数であることは (1) ならば または であることと同値となります。素数全体の集合を とし、 を の絶対値とします。 とおくと となります。 に対して 、 と書くことにします。 (2) ならば は素数の積で表すことができます。 [証明] …

エレファントな整数論(17)

整数の素数の積への分解 を整域、 を の単項イデアル全体の集合とします。 で生成された単項イデアルを と書きます。 だけからなるイデアルを と書き、イデアル だけからなる集合を と書くことにします。 (E2) 、、 ならば (ユークリッド関数の条件(2)*1と同…

エレファントな整数論(16)

自由生成可換モノイド 可換モノイド (演算を と書きます)の部分集合 は以下の条件 (F1) を満たすとします。 (F1) 、、 ならば、任意の に対して が存在して、 となって、 から を除いたものを 、 から を除いたものを とすると、 となります。 可換モノイド …

エレファントな整数論(15)

整域の元の素元への分解の一意性 (1) 整域 の素元 に対して、 ならば、 となる が存在します。 [証明] となるので、これを繰り返すとある が存在して 以外のすべての に対して となるので主張が成り立ちます。[証明終わり] (2) 整域 の素元 に対して、 なら…

エレファントな整数論(14)

「半環上のフラクタル代数(5) - エレファント・コンピューティング調査報告」で環上のモノイド代数について説明しましたが、追加も含めて再び書いておきます。 環上のモノイド代数(の半環版) を単位元を持つ可換半環、 をモノイドとします。 とおきます。 に…

エレファントな整数論(13)

整域 の素元全体の集合を 、既約元全体の集合を とします。 によって( の乗法によって)生成されたモノイドを とおきます。 のイデアル全体の集合を とおきます。 を とします。 を と書きます。 に対して を と書きます。 のとき を一意分解整域と呼びます。…

エレファントな整数論(12)

エラトステネスのふるい(2) 整数の場合 次に「エラトステネスのふるい」の整数の場合を考えます。 を整数全体の集合とし、以下 とします。 を自然数全体の集合とし、 を を の絶対値に写す写像とします。 は となる が存在するとき の単元と呼びます。 の単…

エレファントな整数論(11)

エラトステネスのふるい(1) 一般の整域の場合 ここでは既約元の定義から「エラトステネスのふるい」を一般化したものを導くことを考えます。 を整域とします。 は となる が存在するとき の単元と呼びます。 の単元全体の集合を と書きます。 とおきます。 …

エレファントな整数論(10)

「群論の計算(20) - エレファント・コンピューティング調査報告」でも書いているのですが、整数の素数の説明を書くために、素イデアル、素元、既約元などの説明をまた書いておきます。 整域 を単位元を持つ自明ではない可換環とします。任意の に対して なら…

エレファントな整数論(9)

ユークリッド整域 を整域とします。 (1) (除法の原理) 、 とすると以下のような が存在する。 かつ または (2) 、、 ならば という2つの条件を満たす (ユークリッド関数)が存在するとき、 をユークリッド整域と呼びます(この定義はWikipediaによります*1 )。…

エレファントな整数論(8)

剰余類 に対して と定義します。 に対して と定義します。 に演算 を に対して と定義すると、 はアーベル群になります。この元を剰余類と呼びます。 とし を とします。 は群の準同型となります。 に対して とおきます。 のとき とすると となる が存在しま…

今後の課題

数学的帰納法の記法 数学的帰納法に関する計算を「」という書き方でやっています。「素因数分解の一意性」の証明をこの記法で行うことが目標となっています。このままの記法でできると思うのですが、できない場合は新しい記法を考えていきます。 可換な和、…